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浅井章博

ブログについて

Born in Japanだが医者としてはMade in USA。日本とは異なるコンセプトで組み立てられた研修システムで医師となる。そんな中で、自分を成長させてくれた出会いについて一つ一つ綴っていく。

浅井章博

岐阜県産 味付けは名古屋。2003年名古屋大学医学部卒。卒業後すぐにボストンで基礎研究。NYベスイスラエル病院にて一般小児科の研修を始め、その後NYのコロンビア大学小児科に移り2010年小児科レジデント修了。シカゴのノースウェスタン大の小児消化器・肝臓移植科にて専門医修了。現在はシンシナティー小児病院で小児肝臓病をテーマにPhysician-Scientistとして臨床と研究を両立している。

みなさんは、どんなとき故郷に思いをはせますか?

現在、フェローシップのカリキュラムの一環として基礎研究にも従事しています。専門医になるためには、その分野のテーマをひとつ選んで深く掘り下げ、研究することが求められます。私は、小児の肝臓病についての基礎医学研究をすることにしました。基礎医学研究とはベンチワークともいい、その名の通りベンチ(理科室の実験用の台を思い出してくださればいいと思います)で仕事をしています。筋トレではありません。

その実験のテーマを色々と調べていくうちに、面白いことがわかりました。そのテーマにとって鍵となる物質を、日本の研究者が過去に集中的に取り組んで調べていたのです。オンラインで過去の論文を検索すると、たくさんの日本の研究者がこの物質についていろいろと研究報告していることがわかります。自分の出身大学の研究者もいます。しかも自分の在学当時に行われた研究もあるのです。遠くアメリカまで引越して、10年もあちこちと遍歴したものの、結局 出発点の自分の身近にとても面白いことが展開されていたのだということを知ると、ちょっと唖然とします。

さらには、先日こんなこともありました。その実験のための試薬を買ったのですが、届いてみてビックリ。英語のラベルの横に、日本語でラベルが貼ってあります。しかも、その会社の本社が”名古屋市”とあります。(もちろん、パッケージも小ぎれいで、添付書類はA4です。) きっと当時の研究に基づいて市販化された試薬なのでしょう。まさか、シカゴで実験していて名古屋市の会社が作った製品を使うことになるとは思ってもみなかったので、その試薬を持ったまま、しばらく呆然としてしまいました。名古屋の街並みと、大学のキャンパスの景色が一気にフラッシュバックしてきました。味噌煮込みも、その湯気と共によみがえって来ました。シカゴも最近めっきり冷え込んできているからでしょうか、急に食べたくなりました。

こんなことはめったにないので、その後いろいろと思いが湧いて来ました。

(つづく)

 

 

2件のコメント

  1. 遠く離れた土地で、自分の故郷の話を聞くと望郷の念にかられますね。少し関係のない話ですが、コネチカットの病院で小児科のモーニングカンファランスの時、infantile seizure の話でOhtawara Syndrome の名前が出てきました。大田原先生は私の出身大学(岡山大学)で、私の担当教官でした、というとみんなびっくりしていました。

    私の出身地神戸は、アメリカではとても有名なので、私は得意顔です。Kobe Beef を知らないアメリカ人はまずいないですからね。神戸ビーフ食べたいですね。名古屋の味噌カツも大好きですよ。

    • Kobe Beefは確かに、知らない人はいませんね。名古屋の場合はToyotaのHQがあるって言うとそれで何となくわかってもらえます。 神戸ビーフは確かに食べたいですね。

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