巷では、ゴーストライターというドラマが話題になっていますね。
遠野りさという有名な小説家が小説を書けなくなって、文壇の女王の座を守るためにアシスタントの女の子に遠野りさの名前で小説を書いてもらうというお話。作家とゴーストライターが共犯者となり人生の歯車を狂わせていくという非常に興味深いお話、現在第五話までお話が進んでいます。
私は、この遠野りさに自分をふと重ねました。ブログが書けなくなってちょうど一年。文壇の女王ならぬブログの女王の座を守りぬかなかった私ですが、私もゴーストを雇えばよかったんですよねぇ。。。
ドラマと言えば、ERは毎日がドラマです。書こうと思えばいろいろな話題に事欠かないわけで、いくつかのお話をコンバインすればいったい誰のお話をしているのかがわからない、今までブログに書いてきたお話はそんな感じでできています。つまり患者特定が困難です。私の場合はERのお話を元にお話はいくらでも作れても、プロの小説家となるとほんとうにたいへんだと思います。取材旅行のひとつやふたつ、膨大な資料集め等々何年も何年もの間いろいろなテーマを元に小説を書くことはほんとうに至難の業なわけですから。
ところで日本のドラマはVIKIや、DRAMACOOLのサイトでアメリカからでも携帯で簡単に無料で視聴できます。
ところが事実は小説より奇なり。こんなことがほんとうに起こりました。
クリスマスも近いある真夜中のこと。レベル1のトラウマコールがありました。トラウマレベル1と言いますのは重症度が一番高い外傷の患者さんのことです。運び込まれた若者は飲酒運転の交通事故の犠牲者で後部座席から衝突のインパクトでかなりの距離を飛ばされたということで蘇生の甲斐もなくERで亡くなりました。同乗していたあと二人はあとかたもなく丸焼けになってしまったという恐ろしい事故でした。
クリスマスの夜、子どもたちを連れてドライブに行き唯一開いていたマクドナルドで前述の事故の話をしながら夜中にはぜったいに酔っ払い運転の犠牲者になるかもしれないから運転しないようにと最近免許を取った息子に、ネットのニュースの写真を見せました。
「お、おかあさん、これ。。。。」
言葉に詰まった息子でした。どうしたのかと聞きますとこの犠牲者は偶然にも、実はもううちで10年以上も仕えてくれているお手伝いさんがうちに来る前に育てていた子どもたちだということでした。私自身は一度も個人的に会ったことはなかったのですがうちのお手伝いさんを慕って何度かうちに最近まで遊びに来ていたということではありませんか。彼らのお母さんと私はむかしむかしいっしょに働いた仲でした。ふたりの息子を一度に亡くした彼女の悲しみはほんとうに想像を絶するものです。