医療詐欺?? その一
酔っ払いの患者さん、夜中になれば一人や二人は珍しくありません。
ある晩も、救急車で路上に倒れていたという酔っ払いのおじさんが救急車で運ばれてきました。
パラメディックによると、今でこそ少しは目を開けて話のできる状態だが発見当時はまったく意識混濁状態だったそうです。
そこで現れた救急医のA先生、
パラメディックからの報告を聞くなり、ちょこっと遠目から見ただけでまるで汚いものにでも触るかのように手袋ははめたが患者に聴診器をあてるでもなく、患者に声をかけるわけでもなく、結局くるっと身をひるがえしコンピューターに向かってなにやらオーダーを。
頭のCT、アルコールレベルを含む血液検査や尿検査、オーダーはなんと10項目以上にも渡ります。
その二時間後のことです。
オーダーされた検査項目の結果もすべてそろい、家族のお迎えも整い、患者さんはめでたくご帰宅となりました。
そこで帰宅指示のサインを担当ナースが本人にもらおうとしますと、患者さんはむっくり起き上がりこう言いました。
「ボク、まだ先生に診てもらってないんだけど。。。」
医療詐欺?? その二
日本にはないフィジシャンアシスタントという医療職。
ERでは彼らがオーダーができない麻薬系のお薬(例えばモルフィネなど)は一部ありますが、あとはほぼ医師のように医療行為はできます。
簡単な手術もできますし、縫合もいつもやっているので形成の先生顔負けにうまいアシスタントもいます。
もちろん医師の監督が必要ですが。
救急の世界でもフィジシャンアシスタントは大活躍!!
「私はフィジシャンアシスタントのナンシーです。今日はどうされました?」
患者さんの間でもフィジシャンアシスタントではなく医師をよこせ!とおっしゃる方はおられませんねぇ。
それぐらいこの医療職、アメリカでは認められているんですね。
そこでその日のフィジシャンアシスタントの監督をしているB医師。
患者を一度も自分の手で診ないまま、まるで診たかのようにカルテに記入し医療費の請求をします。
フィジシャンアシスタントだけが診た場合は医師が診た場合の7割の請求しかできないということを知っているのに、です。
これ、へたすると監獄行きですよ。。。
患者さんがあとで請求書の内容を確かめないことを祈ります。B先生、グッドラック!
医療詐欺?? その三
息子の通っているデンティスト。
何しろ重度の身障者ですので歯科検診もとても難しいです。
まず注射がきらいなのでなかなかじっとしてくれません。
数年前の歯科治療も病院の手術室で麻酔をかけられて行ったくらいでした。
手術室から逃げようとするのでこれまた麻酔医がKetamineというお薬を隠し持って太ももにいきなり筋注!
おとなしくなったところをやっとテーブルにのせて点滴を取って本格的に麻酔を。。。
すべてがそんな感じですので歯科検診も楽ではありません。
数日前もある歯科クリニックにて歯科検診をやってもらいました。
ただし、やってもらったことは歯科衛生士に歯磨きをしてもらっただけ。
「きれいな歯しているじゃないの。」
この歯科クリニックは今回二回目でしたが二度とも歯科医に会うことなく帰宅しました。
歯科医はどんなお方なのか私はまったく知りません。
こういうの、究極のメディケイド(身障者/低所得者用医療保険)詐欺ですね。。。