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佐々木潤

ブログについて

世界各地で子育て奮闘中のお母さん・お父さんから同業の小児科医の先生方まで、いろんな人に読んでもらえるブログを目指します。

佐々木潤

東京医科歯科大学卒業、横須賀海軍病院を経て、ニューヨークで一般小児研修、マイアミで小児集中治療、循環器集中治療の専門研修を修了。現在は、ボストンこども病院にて小児循環器集中治療の指導医として働いている。

どうやってアメリカに留学しようかなと考え始めた医学部3年時。何人かの教授や大学病院の先生に話を聞きにいったり、医療系雑誌の著名な先生への取材などの記事を読みました。すると大抵の先生はアメリカやイギリスへの国外留学経験があることがわかります。しかし、そのほとんどは2−3年限定の基礎研究留学でした。でも僕には魅力的ではありませんでした。どうせいくなら限定されず長くいたいし、臨床を中断してまで基礎研究をやりたいかどうかも学生時代では確信はありません。
でもそのうち、”臨床留学”が可能だということがわかってきます。これだと思いました。自分の進むべき道はこれだと。でも最初から確信があった訳ではありません。徐々に気持ちが固まっていった感じです。

目標が定まるとさらに的を絞って情報集めをします。臨床留学された先生が書いた本を読んだり、臨床留学に興味がある先輩に話を聞きにいったり。そしていくつか臨床留学を斡旋している団体があり、そのうちN programがいろんな縁があり自分に一番適しているとわかります。同時にUSMLEの受験計画をたて6年時にStep1を突破し、横須賀海軍病院勤務時にStep2 CK, CSおまけにStep3を踏破。(こう書くといかにも簡単に聞こえますが決してそうではないです。苦しく辛かったUSMLE受験に関して書きたいことも山ほどありますが本題ではないので簡略します。)
さて、小児科に進もうと思い始めてから、日本の小児医療の問題点や諸外国の現状、そしてアメリカで何を学べるかなどに自然と興味が向くようになりました。その中でも特に、

小児脳死と移植医療。この問題は僕のこころを強く揺さぶりました。
余命何ヶ月と診断された重い心臓病、または他の臓器疾患の子供たちとその家族が数億円もの募金を集めて、必死の思いで海を渡る。医学生時代にこんなニュースを何度か目にしてとても複雑な思いを抱いたことを覚えています。日本で脳死移植医療が実現されれば、もっと安全にこの子たちの治療ができるのにと。この脳死移植医療についてはとても複雑な事情も絡んできますので一朝一夕にすべてがうまくいくとは思いません。
でも僕が先進国アメリカで学ぶことで、その知識、経験を還元し、脳死移植医療をはじめ、日本の小児医療発展に貢献しよう、そのためにアメリカに渡ろうと決意したのです。

アメリカに来てはや5年がたちまだまだ勉強中ですが、こうやってブログを通じて、新たな決意表明をすることでその気持ちを強くしました。

さて、後がなくなったぞ。頑張らないと。

2件のコメント

  1. 佐々木先生
    こんばんは。
    先生のブログを見て、絶対先生とお話して見たい、ご相談に乗ってもらいたいと思いメールさせていただきました。
    私は、研修医2年目を送っております。
    将来は、臨床留学をしたいという漠然とした思いを抱いていますが、研修の忙しさに追われ、いまだなにも準備できていません。
    今興味あるのは、救急、小児、総合内科といったところです。
    学生時代には、Swedenに短期留学をして、やはり海外で働くって視野が広がるし、かっこいいというイメージは今でも忘れません。

    漠然とした夢は絶対留学したいというものはありますが、留学するための具体的な目標がありません。
    学生時代にusmleを受験しておくといいといわれてますが、お恥ずかしいながら、なにもじゅけんしておりません。
    まず、何をすればいいか、そんなところすらわかっていない状態ですが、アドバイスをいただけますでしょうか。
    ぜひよろしくお願いします。

    • なかやま先生
      コメントありがとうございます。まず情報を集めることをお勧めします。私の”臨床留学, USMLE”nの項にも書いてありますが、臨床留学についての本はいくつかありますので、読んでみると具体的なイメージが湧き、さらにやる気もでてきます。
      次にどれだけ『本気』になれるかでしょう。もしUSMLEが国試のような必須の試験であったら死にものぐるいで勉強するはずです。しかし実際は臨床留学なんて無理してしなくてもいいわけですし。そこで、逃げられない道をつくるのも手です。まわりに宣言しましょう。私はUSMLEをうけて留学します!と。そうすれば後戻りはできません。時間が作れなければ、仕事を中断してKaplanなどに通う道もありかもしれません。具体的な勉強方法については、私のブログや他の先生方のブログにも書かれているので省略しますが、まだなにも始めていなければ、まずFirst aid step1から始めることをお勧めします。
      私が尊敬するある先生がよく臨床留学をめざす人たちによく口にする言葉があります。言い回しは少し違っているかもしれませんが、ここで引用させていただくと、
      『英語を勉強し始めるのに一番最適なのはおそらくもっと自由な時間があった5年前だろう。しかし、次に最適なのは今です。今から必死に勉強を始めなさい」
      私のブログにコメントを書き込んだこのきっかけを契機にUSMLEの勉強を本気でしてみてください。期待しています。

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