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佐々木潤

ブログについて

世界各地で子育て奮闘中のお母さん・お父さんから同業の小児科医の先生方まで、いろんな人に読んでもらえるブログを目指します。

佐々木潤

東京医科歯科大学卒業、横須賀海軍病院を経て、ニューヨークで一般小児研修、マイアミで小児集中治療、循環器集中治療の専門研修を修了。現在は、ボストンこども病院にて小児循環器集中治療の指導医として働いている。

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米海軍病院とは沖縄と横須賀にある在日米軍の軍人とその家族のための米軍が運営する病院です。対象としている患者さんは基本的にアメリカ人ですので、診療はすべて英語で行われます。また、働いている医師はすべてアメリカでトレーニングを受けて派遣されているアメリカ人です。行われている医療行為はアメリカの標準的な治療が行われています。

そこに、日本人の医師がインターン(研修医)という形式で沖縄、横須賀それぞれ毎年6人ずつ雇用されています。海軍病院の魅力は日本にいながらアメリカの医療を体験できる点にあります。医療の現場で使われている専門用語、患者さんを問診するときの日常英語など「生きた」英語を学べます。
横須賀または沖縄海軍病院で働きたいと思っておられる方への私からのアドバイス

1)ホームページをこまめに訪れてextern, internの応募の日程などをしっかり確認しよう。
両海軍病院ともにホームページを持っているのでまず訪れてみましょう。
横須賀米海軍病院
沖縄米海軍病院

2)両病院ともにexternshipといって医学生の1週間の見学を受け入れています。期間は7月から8月にかけての約二ヶ月間です。横須賀は既卒または6年生しか受け入れていませんが、沖縄は6年生以外でも受け入れてくれています。
そして、もしintern programに応募しようと考えていらっしゃる方は是非このexternに応募して1週間病院を見学されることを強くお薦めします。

3)インターン選考に合格するために
詳しくは各病院のホームページで確認してほしいですが、基本的にはpersonal statementとinterviewで行われます。以下は私が横須賀で感じた経験をもとにしています。沖縄はまた状況が異なるかも知れません。また、年数が過ぎればまた少しずつ状況も変わると思われます。
Personal statementは選考に応募するときに書く自己アピール文です。基本的な英語の記述能力が見られます。しかし、海外留学経験がない方にとってこれはかなり難関です。そういった人が書く英文は英語を母国語とするアメリカ人からすると明らかに違和感を覚えるようです。なので、かならず知り合いやいろいろなつてをたどって、英語のnative speakerに校正を頼むべきです。Interviewは面接日当日に2、3人のアメリカ人医師と15-20分の面接をします。やはり第一条件は英語で会話ができることです。いろいろな業務をすべて英語で行うわけですし、時には患者さんの転送という重要な任務を担うことになります。そういった仕事をするためには英語で病院のスタッフとコミュニケーションを取れる能力は不可欠です。はっきり言って医学的知識を問われるような質問はほとんどないでしょう。

横須賀、沖縄米海軍病院を経て海外臨床留学する先生はやはり多いですね。海軍病院での研修中は、自由になる時間が割とあるのでUSMLEの勉強に当てることもできますし、アメリカ人である海軍病院の先生に推薦状を頼めるという利点もあります。日本からアメリカのレジデンシーに入ろうとした場合、推薦状はやはりアメリカ人からのほうがどうしても信頼性は高くなるようです。

13件のコメント

  1. いいですね。是非若い人はチャレンジしてみてください。アメリカの医療を体験する事はいいことです。

  2. 症例はどんなレベルの疾患が診れますか? 外来中心でしょうか? 

    あと、医学生が気になるところは、その12人のうち、何人が実際にアメリカで臨床留学できているのか、もしよかったら教えて下さい。

  3. 浅井先生;
    沖縄に関してでしたら、昨年おりましたので少しお答えできます。
    約5万5千人の医療拠点ですが、その多くが若く元気な軍人さんですので、外来管理が多いです。ただ、たまに重症患者さんが隠れており、内科疾患で挿管・ICU管理をみることも意外とよくありました。沖縄には退役軍人さんも大勢いらっしゃるので、この方々は高血圧/糖尿病/肥満/COPDなど典型的な疾患をお持ちで、内科外来の多くを高齢者が占めていました。
    外科、整形外科、脳外科などはやはり若い患者さんの手術が多いように思いました。出産数は年間1100件を超え、小児科外来はいつも賑わっていました。

    卒業生について。沖縄で一つ上の年度のK先生が調べてくださった計20年間の統計によると、臨床/研究合計で、7-8割が卒業後渡米しているようです。(横須賀はわかりません)ただし、渡米しなかった先生方も、留学できなかったのではなく、あえて日本での仕事を選ばれたという方も多かったように記憶しています。臨床留学が必ずしもベストではありませんので、この数字自体はそれほど重要ではないように思います。要は、留学しようと思えばできる、努力次第で近道になる、ということかと。

  4. 野城さん 
    コメントありがとうございました。
    7-8割というのは、大事なファクターだと思います。 というのも、学生の時に進路に迷ったのですが、なかなか客観的なデータがなく困りました。その時の目標が臨床留学だったので、一番確実に成功するルートを探していたのですが、ネットや人づての風評しか無いので、とても不安に思ったものです。レジデントプログラムを選ぶ時も、卒業生が卒後どこで何をしているかというのは、最も重要なデータです。

    是非、公表して欲しいデータですねぇ。

  5. ここでインターンされている方々(とくに厚生労働相に許可を得ているいわゆる日本の初期研修を二年終わらせてから研修なさっているひと)は、日本の「通常」の初期研修を終えてから、どこかの医局に所属して、海軍病院のインターンに応募されているのか、それとも初期研修を終わってから完全にFreeでどこにも所属されていない状況でここのインターンをなさっているのか、どちらのほうが多いのでしょうか。
    私は学生で、入局、などの制度についてはまだ知識があさく、的はずれな質問だったらすみません…。
    研修を終えた後、どこかの医局には入っておいたほうがよい、とよくきくので、教えていただけたら嬉しいです。

    • 北山さん
      コメントありがとうございます。質問の件ですが、統計はないので正確にはわかりませんが、印象では医局に属していない方のほうが多いと思います。
      僕と同じ年にインターンをした6人は(僕は2005年卒で2004年から初期研修が必修化されました)、新卒が4人、既卒が2人でした。既卒の二人も医局には属していなかったと思います。
      しかし、年度によってかなり差があると思います。
      これまた印象ですが、米国に臨床留学するひとのほとんどは医局に属してないと思います。理由としては留学期間は最低でも3-6年(一般初期研修だけなら3年、専門研修もするなら6年)と長くなるからでしょう。

  6. 2012/01/28 11:14

    すみません、メッセージで自己紹介させていただこうと思ったのですが、メッセージがないようなので、順番が逆になってしまいましたがこの場をおかりして自己紹介させていただきます。
    (自己紹介もせずにいきなり質問の書き込みをしてしまってすみません)
    私は和歌山県立医科大学の学生で、現在五年生です。
    アメリカ臨床留学に非常に興味があり、また佐々木先生がされている小児科にとても興味があります。
    USMLEをとって臨床留学したいとおもったのは3年の時です。
    ブログよませていただきましたが、佐々木先生のブログにとても共感しました。
    私のあこがれの道をたどっていらっしゃる先生のブログをこうしてみつけることができ、興奮しています!
    また、マイアミ、ニューヨークはとても憧れの地でもあります。
    3年のときにマイアミ大学の病院に短期ですが留学させていただく機会があり、それでとても刺激を受けました。
    意志がよわく、まだステップ1にも届かない実力でお恥ずかしいかぎりですが、
    これからも先生のブログを読ませていただきたいと思います。
    よろしくお願いします。

    • 小児科に興味があるとのこと、とても頼もしく思います。
      臨床留学することだけが”正解”だとは決して思いませんが、(日本で研修されたすばらしい小児科医の先生はたくさんいます)留学を目標に”医学英語”を含めた英語を学ぶことは決して無駄にはなりません。
      簡単なアドバイスとしては
      1)STEP1は軽い気持ちで受けずに、自分が納得するまで勉強してうける(STEP1の点数が低いと足きりされて面接に呼ばれません、そしてこのSTEP1の点数はFELLOWSHIPの応募のときまで影響します
      2)だけど、STEP1は学生のうちに受ける(研修医になると忙しくて勉強する時間を作るのは難しくなります、だけどSTEP1だけでも合格しておくと、STEP2を受ける動機付けにもなります)

      今後アメイログメンバーのUSMLE受験の経験をもとに本、サイトなどを紹介するコーナーを作る予定なので乞うご期待!

      • 初めてメールを差し上げます医学部六年生の天目純平といいます。宜しく御願いします。
        横須賀海軍病院のインターンにとても興味あります。
        質問させてください。

        インターンの採用面接を受ける際面接対策はやはりしっかりされたでしょうか?
        また具体的にどうやって対策されたのですか?

        宜しく御願いします。

        天目純平

        • コメントありがとうございます。返信遅れましてすみません。
          もちろん面接対策はしました。具体的にはその当時通っていた英会話学校の先生に模擬面接官になってもらって自分で考えた質問の答えをきちんと言えるように練習しました。
          ありきたりですけど、面接で評価されるのはきちんと英語で意思疎通ができることですので、英会話の練習が一番大切です。
          僕自身の経験としては、答えはなるべく短く簡単な単語を使用してわかりやすくすることがよいと思います。

  7. 佐々木先生
    親切なご回答とアドバイス、どうもありがとうございます!
    やはり、医局には所属していらっしゃらない方のほうが多いようなのですね。
    レジデンシーのインタビューなどにも時間が掛かりそうだし、医局に所属しているのであればどのように時間をつくっているのだろう、と思っていましたが、医局に所属していなければそれらのこともある程度自由にできる、ということもあるのでしょうか。
    インタビューやSTEP2などを受ける時間は、いつごろが多いのでしょうか、また人によるとすれば、先生はいつうけられましたか?(日本での研修中に、研修先の病院に交渉してお休みをもらったのか、はたまた研修を終えてから「Free」な数カ月を過ごし、その間にインタビューなどをしに渡米したのか・・)よろしかったらまた教えて下さい。

    どちらにせよSTEP1は十分勉強して学生のうちに受けて置かなければ難しいですね。
    私はまだ受けていないこともあるし、また医局に所属して日本で頑張ることにもまた別の魅力を感じることもあるし、いろいろ迷うこともありますが、先生からいただいたアドバイス、「留学を目標に英語を勉強することは無駄にならない」ということを胸にとめて、やはり臨床留学にむけて勉強したいと思います。

    USMLE対策についてのページ、ブログこれからも期待しています!

  8. 佐々木先生
    はじめまして。私は、栄養士です。
    カナダの大学で栄養学を学びましたが、まだインターンを終えておらず、正式なRegistered Dietitianにはなっていません。
    現在は東京で、医療とは無縁の世界で仕事をしておりますが、是非病院での仕事に復帰したいと考えております。経験や知識、資格など全てアメリカ、カナダのものであり、是非基地の病院で働きたく思っているのですが、どのように情報を入手したら良いかご存知でしょうか?

    基地の知り合いに色々聞いてみましたが、あまり情報を知っている人はおらず。病院の担当の方など、アポをとって話せるのか分かりませんが、もしご存知でしたら、是非教えてください。

    よろしくお願い致します。

    • コメントありがとうございます。返信遅れましてすみません。横須賀海軍病院の知り合いに問い合わせたところ以下のような回答をもらいました。参考になれば幸いです。

      さて、お尋ねの件ですが、在日米軍基地(横須賀を含む)に効用される場合、いくつか雇用の種類があります。
      おおまかに二つに分けて、MLCという日本国民、もしくは永住資格を持つ外国人(アメリカ国籍以外)の方と、SOFAと呼ばれるアメリカ軍人の家族の方の2種類です。お持ちの資格に係わらず、このステータスによって雇用担当がかわります。
      また、USNHの独立した雇用担当部署はなく、横須賀基地全体、HRO(統合人事部)という基地全体の雇用の窓口が担当します。さて、一般の方が、米軍基地での勤務を考えられる際ですが、先に履歴書等を送っていく、ということが出来ず、欠員がある場合に発行される、”空席広報”に応募していただくことになります。

      空席広報に関しては、通常、下記のリンクのHPで公開されておりますが、長い間システムの不具合ということで昨年から空席広報が見られない状態ですが、代替案としてFacebookのリンクが貼られておりますので、少々見づらいのですがそちらをご参照下さい。

      http://www.cnic.navy.mil/Japan/RegionOperationsandServices/OperationsandManagement/HumanResources/MLCIHAHPTJobs/index.htm

      HROのFacebookより、現在募集中の空席広報がご覧いただけます。

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