Mount Sinai Beth Israelの内科でインターンとしての1年をスタートしました。今回は病棟チームでの典型的な1日についてご紹介したいと思います。今後米国でのレジデンシーを目指される方、日本のレジデンシーシステムを構築される立場におられる方等の参考になりましたら幸いです。
現在の病棟チームは指導医1名、上級レジデント1名、インターン3名、医学部4年生(サブインターン)1名、薬剤師1名で構成されています。
毎朝だいたい5時前に起床し、5時30分頃から勤務を開始しています。僕は少し早い方ですが、インターンは平均的に皆6時頃までには来ていると思います。それから7時までの時間でプレラウンドを行います。具体的には当直帯のインターンから夜間のイベントの申し送りを受け、必要に応じて、看護師にもその状況を確認します。その後カルテでバイタルの変動などをチェックし、担当患者を一人でラウンドしていきます。そして、その日やるべきことを確認し、指導医のラウンドの際に何をプレゼンテーションするかをまとめます。時間的余裕があれば、カルテのドラフトも作成してしまいます。
午前7時頃卒後2-3年目のレジデントがやってくるので、指導医が来るまでに緊急で対応が必要な患者の確認、今日やるべきことの確認を行います。週に1回は8時30分から1時間のGround Roundなる内科全体のカンファレンスがあります。
9時前には指導医が病棟にやってきて、患者ごとのプレゼンテーションおよびdiscussionがはじまります。インターンは全ての患者について、病歴要約、夜間のイベント、変化のあった身体所見やラボデータ、プロブレムごとのアセスメント、プランをプレゼンテーションしていきます。病歴についてはone-linerとかtwo-linerとかよく言われますが、要するに1行2行程度の文章にまとめることを求められます。チームに薬剤師もおり、薬剤に関するコメントをその場で聞くことができるので、非常に勉強になります。話し合いが終わると、実際に病室に出向き、ベッドサイドで指導医とともに患者を評価します。そこでだいたいのプランが指導医から告げられていきます。
11時前にラウンドが終わると、まずはソーシャルワーカーの下へ行き、自分の担当患者の状況報告を行います。その後、その日必要なコンサルトの電話、オーダーや看護師への指示出し、退院のペーパーワーク等をすませていきます。
12時からは毎日1時間ずつ昼食つきのカンファレンスがあります。そのほとんどは指導医からのレクチャーで内容はバリエーションに富んでいます。
午後は残りの業務、family meeting、診察やコンサルテーション結果のフォローなど日によって様々ですが、要求された業務を行っていきます。3時頃になると再び指導医が現れ、日中の変化についての確認が行われます。また、チーム内でミニレクチャーなどを行う日もあります。その後、カルテとサインアウト(申し送り用紙)を5時までに仕上げ、ロングコールのインターンに申し送りを行い、業務は終了です。
チームは2日に1回オンコールとなり、他病棟からのトランスファーや新入院が入ってくるので非常に忙しくなります。一方で、オンコールでない日は入院は一切ないので、現在の担当患者への業務に集中することができます。また、4日に1回の頻度でロングコールといって午後8時まで残り、他チームの患者の残された業務を行う日があります。
皆さんご存知かとは思いますが、日本での典型的な1日と比較すると、朝が早く帰りが早い傾向にあると思います。勤務の時間帯は非常に忙しく感じますが、オンオフははっきりしています。週に少なくとも1日ある休日や夜の時間帯は完全にフリーとなり、病院から電話がかかってくるなどの事態が発生しえないので、自分のリサーチや趣味に没頭することができます。
異なる環境で仕事をさせていただく経験を通し、臨床面のみならず、システムという面でも非常に勉強になっています。
なんだか久しぶりにインターンの生活を思い出し、懐かしくなりました。もう二度とやりたくないですが、ぜひ貴重な一年間を楽しまれてください。
コメントありがとうございます。そうですね、僕も終わったらもう二度とやりたくないと言いそうですが、ひとまず今は楽しめています。1年しかないインターンイヤーなので、悔いのないよう過ごしたいと思います。