アメリカで臨床を初めて十年以上が過ぎました。本人は結構行けているつもりでしたが、年齢のせいなのか、子供に日本語で話しかけるために日本語を使う率が増えてきたせいなのか、最近は英語がまた下手になってきたように思います。ただ、患者さんも礼儀正しい人が多いのか、敢えて指摘しない方も多いようです。
先日の外来では、実に率直なご夫婦にお目にかかりました。
私の専門はカテーテル治療ですので、肝臓癌の方を日常的に診察しています。しかし、どうやら私は、Liver と River をいい間違えていたらしいのです。だいぶ我慢していたようなのですが、とうとう途中で患者さんが吹き出しました。
”ほら、かーちゃん、またこの先生、『河 River』って言った!”
”あんた、失礼よ、笑っちゃだめ!”
一方、私はといえば、
”……すみませんねぇ。どうもLとRってのは日本人には鬼門でして”
”言っていることはわかるからいいんですよ、ただ、可愛いなーと思って。”
悪気があって言っているわけではなさそうです。いくら奥さんがたしなめても、次、いつ私がまた言い間違えるのかをじっと待っている様子です。
いいまつがいだけが可笑しいらしく、その場で手術の日程を決めて帰宅されたので、信用されていないわけでもなさそうです。
肝臓と、河。十年たっても、まだまだな日本人医でした。
他の先生方は、一体どうされているんでしょうか? もーばりばりに全然オッケーなんでしょうかね??? 私はもう諦めるつもりです。 息(breath)止めてー、がオッパイ(breast)持ってーになろうと、肝(Liver)が河(River)になろうとも。幸い、話をしている医学の中身を信用してくれる患者さんたちに囲まれているので。
僕も年配の患者さんに、文法を正してもらうなどよくありました。LieとLay、難しいですよね。Lie-Lay-Lain、Lay-Laid-Laid。あと、文末のtとpを飛ばし気味に発音してしまうとか。
難しいですよね。日本人は末尾の音を飛ばして発音するくせがあるらしく、私のスズキがスズックに聞こえるとよく言われます。
今は肝臓専門ですのでさすがにあまりなくなりましたが、昔は Lever(てこ)と間違われて、きょとんとしてる親子を相手に長々と話をしたことがあります。
浅井先生は比較的はっきりと発音しておられたので、そんなご苦労があったとは。心強いです。
いやーー、私もですよ。発音矯正クラスに通おう、通おうと思いつつ、、。心臓カテーテルの基本のカテがJR4とJL4なので、未だに時々、逆が出て来ます。
「JR4」
(技師がJL4を差し出す)
「何、見てるの?今、右冠動脈の造影しようとしているんだけど!」と当たりたくもなりますよ、、(笑)。
もう1つの鬼門、rhythm(なんかreasonに聞こえるらしい)は何とか今年はクリアして、今年のCCUローテでは一度も間違えられませんでした!!進歩、進歩。
発音矯正がんばりましょう!
Yumi先生、私もリズムは発音できません。rとthが並ぶなんて、悪夢そのものですからね。最近は発音できない言葉を使わずに会話をするという特技ができております。
LiverとRiver、問題ありません。私なんて、ElectionとErectionです。。。赤っ恥です。
そ、それは、恥ずかしかったですね。実は私もやってしまったことがあります。選挙の時期になると、毎回憂鬱です。どうやって、その言葉を言わずに会話を終わらせるか、なんて考えます。
私もです(笑)!選挙の話はちょっと緊張します!