Kaplanが提供する、5日間のUSMLE Step2CS準備コースに参加すべく7月末にシカゴに着いた私は、交差点ごとにあるといっても過言ではないスタバの数に驚きつつ、10日後に控えたStep 2CSの準備にさすがに焦りを覚えていました。Kaplanの同じクラスには20人ほどが受講していたと思います。近くのホテルに滞在し、毎日英語漬けという人生で初めての体験をしました。
Step 2CSは、模擬患者を相手に診察し、診察後に病歴や所見をまとめたノートを記載します。それを10人ほど繰り返すので、丸一日かかる上、一人当たりの時間制限が厳しく、かなり要領良く診察と所見を書き進めていかないといけません。講座では独自の教材を元に、覚えるべき単語やフレーズ、挨拶の仕方、会話の進め方、オープニング・クロージングを含めた診察の作法、診察後の所見の記載方法など、細かくポイントを押さえて教えてくれます。相当の会話力を要求されるStep 2CSでは、英語が母国語でない人にとって、まずその形式に慣れることが大切です。したがって、受験方式を教えてくれるKaplanのコースは、値段は張りますが非常に役立ちます。
最終日にはKaplanが用意した模擬患者を相手に試験のシミュレーションをして、採点をしてもらい、コースを終えました。今思い返しても、(準備不足だった僕にとっては)このコースを受けていなければ試験に通っていなかったと思います。ヒューストンでの試験を前に数日あったので、ひょんなことで知り合いから紹介された人を訪ね、Clevelandに向かいました。Cleveland Clinicでレジデントをしていた彼に病院の見学までさせてもらい、またまた違う経路で知り合った(どういう経緯を辿ったか覚えていないのですが…)泉先生にもお会いしてRainbow Babies and Children’s Hospitalを見学させてもらいました。Step 2CSは合否だけで、他のUSMLEのテストとは違い点数が出ないので、なんだか最後まで「試験前の詰め込み」をするほどに至らず、マイペースに勉強しながら試験前日になり、ヒューストンに飛びました。
日本人の間では「合格率が低い」という嘘か本当か分からない噂のため避けられることが多いと聞いていたテキサスのヒューストンでしたが、周りの受験生、模擬患者、検査官含め会った人全員が親切でした。広大な敷地内に大きな建物一つがぽつんと立ち、隣の建物まで歩いて5分かかる街並みには驚きましたが…模擬患者の診察では、暗記した文章で8割ほどの会話は対応でき、それ以外も1)分からなければ聞き返す、2)一生懸命自分の意図を伝えようとする、3)なんだか分からないときは会話の流れに合わせた表情で相槌を打つ、の方策で事なきをえました。診察にかけられる時間は15分で、主訴から鑑別診断を上げ、問診で鑑別診断を絞りながら身体所見を取らなければいけません。短時間(10分ほど)で一連の問診と所見で診断を絞っていく能力は、沖縄県立中部病院の救急を中心とした研修で十二分なほど培っていましたので、あまり時間は問題になりませんでした。その点、日本でしっかりと研修をしていた方がStep 2CSは楽かもしれません。ノートは10分でまとめる必要がありましたが、こちらも(普段から英語で書く癖をつけていたためか)そこまで時間を問題に感じませんでした。完璧な英語を書くことより、とにかく最後まで書き切り、余った時間があれば修正する、というアプローチを取っていたように記憶しています。同会場で同じ日に試験を受けた、地元のアジア系米国人と仲良くなり、ヒューストンの街を案内してもらったのは、今でもいい思い出です。2週間弱の短い期間でしたが、初めてづくしの充実した旅でした。
米国から日本に帰る飛行機の中で、何を考えていたのか全く思いだせません。多分、ずっと寝ていたのだと思います。東京を経由して沖縄に帰る足でN-programを主催されている西元慶冶先生に面接をお願いし、初めてお会いしていたような気がしていました。しかし改めてメールを見返してみると、日程の折り合いがつかず、8月末に再び東京に出向き、西元先生と第一回の面接をしたようです。これがその後の三年間だけでなく、今までの進路を決める運命の第一歩になるわけですが、その時の準備不足ぶりといったら、今思い返すと本当に恥ずかしくなります。
とにかく、そんなこんなで10月頭にはStep 2CSの合格通知が届き、ほっと一安心しました。
楽しく読みました。
本当は大変な努力が必要で、反田君はそれを達成したのですね。さすがです。
アメリカにはそんなにスタバが多いのですか!!
スタバがお茶の専門店チェーンのティーバナを
昨年巨額の投資をして合併したました。
私には米国の食品流通業界の流れを象徴しているように感じました。
ティーバナ・ハロッズなどのバイヤーさんにレクチャーもいたしました。
彼女たちの、お茶や健康に関し持っている知識の深さに驚きました。
コーヒーもお茶(基本的には0カロリー)も楽しんでください。