9月からMPH(公衆衛生学修士)が始まり、5年ぶりの学生生活を楽しんでします。僕の所属する予防医学フェローシップはプログラムの一環として学費を負担してくれるので、給料をもらいながら勉強させてもらうという、大変ありがたい環境に身を置かせてもらっています。学期の間はフルタイムの学生として勉強し、冬休みや春休みなどは臨床業務をすることになっているので、全く臨床から離れてしまうというわけでもありません。
約一年間でMPHを取得する必要があるので、比較的単位を詰め込まなくてはいけません。卒業論文なども含めて42単位取るために、今学期は6つ、15単位分の授業を取っています。授業6つなんて余裕だろう、と思っていましたが、これがなかなか。日本の大学の授業とは比較にならない、読むべき教科書や論文、宿題の量に慣れるまで少し時間がかかりました。
多くの授業はオンラインで提供されているので、ロチェスターからミネアポリスまでの100kmの道のりを毎日往復する必要はありません。しかし、もちろん一部はキャンパスで受ける必要があります。今回取っている授業のうち2つはキャンパスで受けています。車で行けば約一時間半ですが、僕は公共交通機関を使っています。シャトルバスでミネアポリス空港まで約一時間半、そこから電車に乗り換え市街地まで30分、さらにバスに乗り換えキャンパスまで30分、合計約2時間半の道のりです。
大変に見えますが、意外とそうでもありません。シャトルにはWiFiがついていますので、道中仕事にも勉強にも支障ありません。電車とバスではメイヨーが支給してくれたiPad(これまたなんとも嬉しいことに、内科系の全てのレジデントとフェローに無料貸与されました。メイヨーはiPad appsを作っていて、なんらかの提携があるようです)のおかげで、あらかじめダウンロードしておいた論文や教科書が読み続けられます。ここにきて急にテクノロジーの発展にありがたみを感じています。
授業の関係で時にミネアポリスに一日泊まる必要が出るときもあります。そんなときに心強いのが Airbnb、安く滞在したい旅行者とホストのマッチングサイト。日本でも有名になってきているのでしょうか。家に人を泊めてもいいよ、という人が部屋情報を料金とともに提供し、僕みたいに安く泊まりたいよ、という人が希望の部屋を探してホストに連絡し、OKなら交渉成立という仕組み。ホテルにいちいち泊まっていたらとても高くつきますが、このサイトを使えば大変安い宿泊先を見つけることもできます。Craigslistと違い、信頼性が高いので安心です。Airbnbはホストと滞在者の両方からプロセスフィーを取るようで、なかなか良くできたモデルだと思います。
驚いたのは、ミネソタ大学の敷地の広さです。ミネアポリスキャンパスは大きく分けて三つの敷地に分かれていますが、全体で2,730 acres (1,100 ha) = 11平方キロメートル。東大の本郷キャンパスが弥生と浅野を合わせ、全体で約1.1平方キロメートルなので、10倍の大きさですね…とりあえずバスを降りてから目的の建物に行くまで10分はかかります。同じキャンパス内でも離れている建物に移動したい場合は、自転車かバスを使う必要があります。
ちなみにですが、ミネアポリスは自転車を使う人がとても多いようで、サイクリングロードが非常に整備されています。キャンパス内でも自転車はバスと並ぶメインの交通手段のように見えます。全ての市営バスの前面に自転車をかけておくラックがついているほどです(http://www.metrotransit.org/bicycle-racks-on-buses-and-trains.aspx#practice)。また、街中いたるところに自転車のシェアライドステーション https://www.niceridemn.org/があります。すごくいいアイデアだと思うのですが、値段が結構高いんですよね。使いたい場合はまず6ドル払い、さらに使用した分だけ払うという仕組み。年間契約もできるようですが、それにしてもちょっと高いかなと。実際使っている人をほとんど見かけたことがありません。ミネソタに住んでいたら自分で買うだろうし、たまに使うにしてはちょっと高いしと、今のままのモデルだとかなり厳しいのではないかな、という気がします。Subscription制度をやめて10分くらいのちょっとした使用を1ドルとかに設定してくれればかなり有用性が上がる気がするのですが。それでも極寒の冬には使わなくなるかな…