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反田篤志

ブログについて

最適な医療とは何でしょうか?命が最も長らえる医療?コストがかからない医療?誰でも心おきなくかかれる医療?答えはよく分かりません。私の日米での体験や知識から、皆さんがそれを考えるためのちょっとした材料を提供できればと思います。ちなみにブログ内の意見は私個人のものであり、所属する団体や病院の意見を代表するものではありません。

反田篤志

2007年東京大学医学部卒業。沖縄県立中部病院で初期研修後、ニューヨークで内科研修、メイヨークリニックで予防医学フェローを修める。米国内科専門医、米国予防医学専門医、公衆衛生学修士。医療の質向上を専門とする。在米日本人の健康増進に寄与することを目的に、米国医療情報プラットフォーム『あめいろぐ』を共同設立。

こんにちは。内科専門医試験も終わり、日々に落ち着きとかすかなゆとりを取り戻した今日この頃。今週はLabor’s Day Weekendで三連休。週末のオンコールがない生活というものはかくも素晴らしいものかと実感しています。

ニューヨークからミネソタに移り住んで丸二カ月が経ちました。世界で最も華やかな街から米国中西部の比較的穏やかな町(片田舎とも言う)に引っ越した場合に何を経験するか皆さんと共有したいと思います。

1.日本食がない

ニューヨークでは歩けばあたった日本食レストランも、こちらではとんと見かけなくなります。「日本食」をかかげたレストランは全部で5つ、残念ながら全て昨日で制覇しました。さらに残念なことに、日本人にお勧めできるレストランは存在しませんでした。これは非常に不思議なのですが、5つ中2つが鉄板焼きのお店で、その2つとも極めて酷似した、かつ特徴的な鉄板パフォーマンスを披露してくれました。具体的に記述するのは少々憚られますが、鉄板焼き用のてこをジャグリングする、料理用のSake(日本酒)を面白く振舞う、などです。日本食文化がなんとなく間違った形で伝わっているのではないかとやや懸念を覚えました。ちなみにこちらでの日本食といえば、Teriyaki, Sushi, Hibachiです。ロチェスターで日本食レストランを開くといいのではないかと思いました。誰かお願いできませんか?

2.髪を切る場所がない

何人かの知り合いに聞いてみましたが、アジア人向けに髪を切る場所がありません。男性陣は妻に切ってもらっているか、日本でいう1000円カットのところで切っているかのどちらかのようです。仕方がないので、女性向けの美容室で男性用ヘアカットを提供しているところがあり、そこに体験目的で行ってみました。ニューヨークで切ってもらった直後の写真を見せて「こんな感じにして欲しい」と言うと、「OK」と自信たっぷりに言ったかと思えば、いきなりバリカンを取り出し、サイドを刈り出しました。「しまった」と思うも時すでに遅し、横の髪は既に刈り上げになることが運命づけられました。それ以降は記述するも無残なので割愛しますが、見事これから軍隊に所属するかのようなヘアスタイルが出来上がりました。念のため言っておきますが、軍隊用ヘアスタイルとしては非常に上手に仕上がっており、特に両サイドの刈り上げは見事でした。

3.自然が多い

当然と言えば当然ですが、こちらはとても自然が多いです。ミネソタには湖が大小たくさんあり、それに面した公園も数えきれないくらいあります。とりわけ私のような家族持ちには良い環境だと言えるでしょう。ニューヨークの喧騒から離れると、次第に心持ちも変わり、ゆったりとした気分になってきます。人にも優しくなれます。

4.人が優しい

環境が違うことに影響されているのかどうか知りませんが、こちらの人はとっても優しいです。ニューヨークで最初に入ったWalgreenで、店員の愛想とサービスの悪さにカルチャーショックを受けましたが、ロチェスターではあらゆるところで真性の「顧客サービス」を受けることができます。公的私的を問わず、何か必要が生じて電話をかけても1分以内に人と会話することができ、大抵すぐさま問題を解決してくれます。これはニューヨークでの生活に慣れてしまった身としては奇跡に近く思えます。

総じて、一人暮らしだと娯楽が少ない分辛いこともあると聞くロチェスター暮らしですが、私にとってはとても過ごしやすい町です。日本食と髪の毛は車で一時間半のミネアポリスまで出ればことが足りますし。零下10度を軽く下回るという冬がだけが心配ですが、多分大丈夫なのでしょう。多分…

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