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反田篤志

ブログについて

最適な医療とは何でしょうか?命が最も長らえる医療?コストがかからない医療?誰でも心おきなくかかれる医療?答えはよく分かりません。私の日米での体験や知識から、皆さんがそれを考えるためのちょっとした材料を提供できればと思います。ちなみにブログ内の意見は私個人のものであり、所属する団体や病院の意見を代表するものではありません。

反田篤志

2007年東京大学医学部卒業。沖縄県立中部病院で初期研修後、ニューヨークで内科研修、メイヨークリニックで予防医学フェローを修める。米国内科専門医、米国予防医学専門医、公衆衛生学修士。医療の質向上を専門とする。在米日本人の健康増進に寄与することを目的に、米国医療情報プラットフォーム『あめいろぐ』を共同設立。

月曜日がPresident’s Dayなので、この週末は三連休です。今は外来ローテーションで週末のオンコールも入っておらず、久々にゆっくり過ごせそうです。日本での研修医生活の呪縛により、一年目の頃は週末に二連休や三連休があると、そわそわして何をしていいのか分からなかったものですが、二年目あたりからは週末を楽しみにできるようになりました。しかし今になっても、三連休ともなると、なんだか申し訳ない気がして、沖縄の方角に向かって手を合わせたくなります(誇張ではありません)。いつになったら完全に解放される日が来るのでしょうか。とはいえ、今すぐに日本に戻って昔のように働けと言われても恐らく無理だし…

本当は三連休なら、国外とは行かないまでもワシントンやフィラデルフィアあたりに電車でふらっと行けそうですが、初日から長男が発熱。父の休みに合わせて風邪を引いてくれるのだから、偉い子です。そして三日間自宅謹慎がほぼ決定しました。それにしても、39度の熱を出しているのに(多少元気がなくて、食欲もなくて、寝ている時間も多いものの)、笑顔で走り回れるのだから子どもってすごいですね。いつから37度ちょいくらいの熱で「もう無理」とか思うようになったのでしょうか。

休日や休暇の過ごし方といえば、アメリカ人の「贅沢さ」には驚かされることが多いです。アメリカのレジデントは、多くの場合、医学生時代に学費などで2000万円くらいの借金をしています。レジデントとしての給料は「普通の生活を保てる」くらいの額です。ところが、年に二回、二週間ずつある休暇になると、国内国外と色々なところに旅行に出かけます。普段の生活も結構派手な人が多い印象です。そしてこれは特にアメリカ生まれの人に見られる傾向です。僕の感覚が一般的なのか分かりませんが、借金があると「とりあえず新しい借金は作らないようにしよう」と思ってしまいそうですが、どうもアメリカ人は違うようです。友人によると、「一度それだけの額の借金を作ってしまうと、2000万円も3000万円も同じように思えてくる」らしいです。もちろん、人によっては友人の家で過ごしたり、滞在費用を抑えているようですが、この感覚はちょっと恐ろしいな、と思ってしまいました。このような生活スタイルによりお金が回って、経済が活性化されるのでしょうか?むしろサブプライムローンなどのような、無理なお金の回し方の下地になっている気がしますが、勘違いでしょうか。

医師であり将来の高収入が約束されているため、若いエネルギーのあるうちに楽しんでおく、色々なことを経験しておく、というのはあながち悪い選択とは思えません。それでも、「学生のうちからこんなに借金があるんだから、医師の給料は(今以上に)高くなくては困るよね」と言われると、多少の違和感を覚えたりもします。あの労働時間でこれだけの高収入なら、僕からすると文句のつけどころがないように思えますが…

日本の研修医でも業務時間が短くなって、遊べる時間があったら、同じくらいに遊べるものでしょうか。せいぜい同期や職場の飲み会くらいで終わってしまいそうですが、これは偏見かもしれません(笑)まあ、子どもを育てるという最大の贅沢をしている身からすると、意見を言える立場ではないんですけどね。とりあえず自分は身の丈に合った生活をしていこうと思います。

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