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反田篤志

ブログについて

最適な医療とは何でしょうか?命が最も長らえる医療?コストがかからない医療?誰でも心おきなくかかれる医療?答えはよく分かりません。私の日米での体験や知識から、皆さんがそれを考えるためのちょっとした材料を提供できればと思います。ちなみにブログ内の意見は私個人のものであり、所属する団体や病院の意見を代表するものではありません。

反田篤志

2007年東京大学医学部卒業。沖縄県立中部病院で初期研修後、ニューヨークで内科研修、メイヨークリニックで予防医学フェローを修める。米国内科専門医、米国予防医学専門医、公衆衛生学修士。医療の質向上を専門とする。在米日本人の健康増進に寄与することを目的に、米国医療情報プラットフォーム『あめいろぐ』を共同設立。

先日、日本で働いていて、現在大学院に留学中の友人がニューヨークに遊びに来ました。その旦那さんも、ほど近い場所に一緒に留学中。そして、なんと最近妊娠発覚したとのこと。「こりゃめでたい!」とこっちは勝手に祝福ムード。しかし話を聞くと、勤め先とのやり取りが結構大変だったみたいで…

日本の上司に妊娠発覚を告げると、「留学中に妊娠なんてとんでもない!!勉学に集中できるはずがない!すぐに日本に戻ってこい!」との先制パンチ。留学費用を勤め先に出してもらっている手前、もちろん先方の了承が必要だと思って連絡を取った友人も面食らったよう。二年間の留学中にきちんと学位が取れるよう工面するべきか、留学期間を少し伸ばして、延期した分は自己負担で賄うという選択肢があるか、などを相談するつもりだったらしいけれど、そんなオプションの提示には全く触れられず。「女性は妊娠出産したら育児に専念すべき」「前例がない」「ふざけている」などの前近代的な理由を並べられ、とにかく留学の継続なんて認められない!の一点張りだったとか。

同僚が研修医として普通に仕事しながら妊娠・出産している環境で生活をしている僕としては、全く理解に苦しむ。そりゃ大変だと思うけど、学校にも一時保育などの施設はあるし、保育施設で足りないときはベビーシッターを雇えばいいし、なんとだってやりようがある。旦那さんだって今は学生の身分なんだから、家事育児だって手伝えるのにねえ…と友人に痛く同情。友人の勤めている先が特殊なのか、上司がたまたまそういう考えを持った人だったのか、それとも日本ではまだそういう風潮が一般的なのか。しかも上司と言っても40代らしいし…

さて友人、どうやってその状況を打開したか。「では留学を続けるとしたら、子どもは産めないということですね。勤め先の方針ということで流産させます。それでよろしいでしょうか。」との逆転パンチ。これには上司も反撃の余地なし。「下ろされたら困るので、そのまま留学を続けてください。」と留学継続が認められ、一件落着。そこまでメンチを切れる友人に深く感心しながら、やはり母は強し、と思ったのでした。

1件のコメント

  1. かっこわるいですね。なんか自分が上司なら、おうおう2,3人産んでアメリカ国籍とらせてこいやーって言うと思いますけど笑。前例にならっていると前にすすめないということにまだ気づけないひとは多いのでしょうね。
    本当に日本て女性の社会進出ができるような社会ができあがってないですよね。医療機関に24時間保育所がないのに大きな違和感を感じざるをえません。
    子供手当てなんかする前にやることはいっぱいあるでしょうに。

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