外来診療でこのたび新しく導入された電子カルテプログラム、eCW (electronic Clinical Works) 。今まではFile Makerシステム上に独自に構築したNote Builderシステムを使用していたが、基本は紙カルテベースだった。それが今回、ついに電子カルテ化されたのだ。
先に一つ述べておくと、米国の病院でも電子カルテシステムを使っている病院はまだ多勢ではない。多くが移行期にあたっており、うちの病院でも徐々にだが電子化が進んでいる。今回はその第一歩というわけだ。
このeCW、結構くせもので慣れるまでに時間がかかる。オリエンテーションから三日が経ち、ようやく許容可能なスピードでノートを書けるようになったか、なっていないか。良い点、いまいちな点がいくつか。
良い点
1.処方箋を薬局にコンピュータ上で送信できる。いちいち処方箋を書かなくて良いので、すごく時間が節約できる!
2.検査結果と(将来的には画像結果とも)リンクしているため、同一システム内で検査結果を参照できる。まあ、普通か。
3.他科も同一のカルテシステムを使うことで、全ての科のノートが連動し、それをいつでも参照可能。まだ実現していないが、これが実現したらベネフィットはすごく大きい。
4.ICDコードと連動している。医師がICDコードで病名を入力していかなければならないので、事務方は楽なはず。医師側からすると、慣れるまでコードを探すのが大変だけど…
いまいちな点
1.デザインがビジュアル的でない。デザインがストリームライン化されておらず、目的の場所へ行くにはマウスを行ったり来たり。頻繁に使う機能のうちいくつかはとっても分かりづらいところにあったりする。
2.同じ機能を持つセクションや同じ内容を書き込めるスペースが複数あり、仕様が統一化されにくい。
3.まだいくつかの機能が導入されていない。
完璧な電子カルテシステムなんてないのかもしれないが、デザイン的な問題はAppleにでも入ってもらえば劇的に改善するのではないかと思う。そしたら値段が跳ね上がると思うけれど。
個人的な意見では、総合的に見てこの電子カルテは効率や安全管理の向上に寄与すると思う。他科との統合が進めばなおさらだ。
しかしまずは個人的にこのシステムに慣れないと…結構苦戦しています。