Skip to main content
宮田(野城)加菜

ブログについて

日本の医療、在米邦人の方々の医療に少しでもお役に立てるよう、情報を発信していきたいです。

宮田(野城)加菜

東京医科歯科大学医学部を卒業後、腎臓内科研修を開始。在沖縄米国海軍病院を経て2011年夏よりアメリカ、ニューヨークにて内科研修後、ロサンゼルスにて腎臓内科専門研修を行い、指導医となりました。

2か月に1度、2週間の外来研修があります。
私の場合は7月、9月、11月と現在3クール目となりました。前日の予習は以前のカルテを見て、どのような患者さんが来るかを把握し、新しい採血結果が出ていないか確認して、当日何を患者さんに質問するかなどをメモしておきます。当日は、患者さんを呼びに行き、診察し、プランを決め、自分の所属するアテンディングドクターにプレゼンをしに行きます。アテンディングはそのプランでよいという場合もあれば、修正してくれることもあります。さらに、1年目研修医の場合は、全ての患者にアテンディングが会わなくてはならないというルールがあるので、アテンディングと一緒に診察室へ戻ります。疾患も様々です。糖尿病、高血圧、脂質異常症、COPDなど慢性的な疾患が多いですが、急性の腰痛、風邪、皮膚疾患、健康な人の健康診断もあります。一般内科はなんでも内科です。専門科にかかっている患者さんも、同時に一般内科にも定期的にかかっており、その患者さんの健康問題全てをまとめる役割を果たしています。

最初のうちは、初めて会う患者さんばかりでしたので毎回なんとなく緊張していましたが、最近は1度お会いしたことのある患者さんが増えてきました。ほかの先生でなく自分の外来を選んで予約してくれたと思うと、やや嬉しいです。

日本でこのようにきめ細かい外来研修を受けたことがなかったので、始めのラーニングカーブは急勾配でした。特に、Assessment/Planの最後に必ず入れる項目;Health Maintenance。50歳以上は大腸がんスクリーニングの大腸内視鏡、10年に1度は破傷風のワクチン、毎冬のインフルエンザワクチン、女性ならマンモグラフィー、Annual Pap Smearなどなど、毎回最後に行ったのはいつかを確認し記載、必要であればその日に注射をしたり紹介状を書きます。スクリーニングの適応などは教科書で読んでいたので知っていましたが、毎回Primary Care医師がこのように抜けがないか確認していくとは知りませんでした。(マンモグラフィーや骨粗鬆症の検査など、日本では市区町村が適応者に手紙を出して保健所や近医でやるように呼びかけていますよね。私もPap Smearのお知らせを以前もらいましたが、仕事の忙しさにかまけて無視していました。反省。。。)全米の医師が、エビデンスに基づいた一つのガイドラインを使って、同じmaintenanceをすることは全体の医療レベルを上げるのに効果的だなと感じます。

外来後週2回レクチャーがありますが、ここでも、どんな時に他科を紹介するべきか、どんな時にこの検査をオーダーするべきかなど、エビデンスに基づいたルールの熟知が期待され、Clinical Decision Rule (CDR)やStandardized careという言葉を頻繁に聞きます。読むべき論文、覚えるべきガイドラインが私の前に山積りです。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。


バックナンバー