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ブログについて

研修を終えてスタッフとして働き出してからは、アメリカ医療の現実をさらに実感するようになりました。よいところも悪いところもあるアメリカの医療の日常に、循環器のホットなトピックを交えて発信していきたいと思います。

Dr. Yumi

名古屋大学医学部卒業後、1年間のスーパーローテ研修を経て、アメリカにて臨床研修開始。内科レジデンシー、循環器フェローシップ、循環器インターベンションフェローシップを終え、現在ニューヨークのMount Sinai Beth Israelにてスタッフとして働き6年目。専門は循環器、特に心臓カテーテル治療。2人の娘の子育てと仕事に奮闘中。

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2015/04/20

レジデントのメンタルヘルス

先日、ボスの代わりに研修プログラムのプログラムデイレクター会議に出席したところ、その日のテーマは、「レジデント(研修医)のメンタルヘルス」でした。神経内科のレジデントが現在レジデントのメンタルヘルス改善のために行っている試みを紹介、その後レジデントのカウンセラーをしている精神科医による講義がありました。 

最初は、あまり興味なく聞いていたのですが、その講義でインターン(レジデント1年目)のバーンアウト(燃え尽き)率は1ヶ月目で5%、それが終了時には50%まであがる事、70%のインターンはある時点でバーンアウトを感じた事がある事、などのデータを聞いて少し考えさせられました。ニューヨークでは去年の夏にインターンが2人自殺した事もあって、どこのプログラムも真剣に対策を考えているようです。

そう言えば、去年の事件を受けて、NY Timesにあるレジデントが書いた記事が載っていたのを思い出しました。その記事ではいかに医師が責任の大きい仕事であり、常に冷静に何にでも対処できる事を求められるか。医学部、レジデンシーと競争社会の中、医学部を卒業してインターンになったとたんにその重責を負わされ、実際は経験もなくわからないまま、さらに競争が続く事などが指摘されていました。最後に重圧に耐えられなくなった筆者が、同期の最も優秀なインターンに、「私はここにいる資格はないのではないかと毎日思っている」と思いを打ち明けたところ、そのインターンが笑って「僕も毎日そう思っている」と答えたのを聞いて心が晴れたというエピソードでしめられていました。

確かに医師の仕事は命に関わるだけに精神的な重圧を感じることがあります。膨大な知識量と経験に基づいた判断は、医学部を出ただけで身に付くわけではなく、毎日学びながらの失敗のできない仕事はプレッシャーがかかるのもうなづけます。また、やはり最も下っ端であるインターンにはたくさんの雑用やペーパーワークが仕事の一部となっており、スタッフからの信頼を得て、仕事のやりがいを感じるまでには時間がかかります。客観的に考えると、バーンアウトするのも当たり前かもしれません。

さて、会議からカテ室に戻ってフェロー達の肩を叩き、「どう、ハッピー?」と聞いてみましたが、うちのフェロー達はみな楽しくやっているようです。もともと循環器に来る人はある程度競争を生き抜いて来た人が多く、またフェローとなると周りにも頼りにされ、やりがいも大きくなってくるので、インターンのようなストレスはないだろう、との結論となり、ホッとしました。

私たちアテンデイングが、レジデントやフェローが自信を持って働く事ができるようなバックアップをしてこそ、みんなが成長していくんでしょうね!

2件のコメント

  1. 齋藤雄司 より:

    ユミ先生、私もインターンシップつらかったですよー。もう、あんな経験は二度としたくありません。うちのかみさんも、インターンのときは半分死人で、見ているほうがつらかったです。ユミ先生がおっしゃるように、フェローシップは比較にならないほど楽でしたし、楽しかったです(精神的に余裕ができたせいだと思います)。今は、、、忙しすぎて睡眠不足になることはあるものの、楽しく仕事をしています。これも、あのインターン時代があったからこそなんでしょうね。

  2. Dr. Yumi より:

    斉藤先生、お久しぶりです。そうなんですね、先生でも辛かったんですねー。私は、たぶん卒後すぐだった事もあって、必死でやっていたらインターンの1年も終わっていった感じでした。フェロー1年目もきついにはきついですが、好きな事をしているので楽しいのではないかと思います。最近は労働時間の制限もしっかりしていてインターンも楽になったと思っていたので、今回の事は考え直すきっかけとなりました。

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