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松本菜々

ブログについて

栄養士といっても興味は、低栄養や栄養サポート。日本でも臨床を経験した栄養士が感じるアメリカでの実践栄養について 紹介していきたいと思います。

松本菜々

日本の病院で在宅栄養を確立し、Nutrition Support Team を立ち上げた後渡米。ミネソタ大学院終了後ハワイの病院に就職し、現在は、南カルフォルニアの小さな病院でメイン臨床栄養士として、情熱をもってICU,急性期病棟の患者栄養管理をしています。

ご無沙汰しました。。。

今回は 「アメリカの臨床栄養士と同じことをする」とはどういうこと?をお話しすると書きました。

当時、私が栄養士になり立ての頃に 医師に言われたアメリカの栄養士と同じことをするという意味は、自分の患者さんを持って、栄養状態を評価して、医師に栄養計画を提案することでした。経口摂取していない患者さん、例えば、経管栄養や静脈栄養の患者さんの栄養管理も含めてです。
そして、栄養剤の選択や、静脈栄養などのルートの提案や、その投与量、速度の提案、必要な血液検査の依頼をすること。食事ができている患者さんの食事量を把握すること、経口摂取の少ない患者さんにも、食事変更や栄養剤の追加を依頼をして、患者さんの病状にあった「必要な栄養」と 「必要な栄養量」をに提供することでした。

 

実際に、最初にもたせてもらった患者さんは、ステージⅣの褥瘡の患者さんに栄養量を計算して、必要量を投与したら褥瘡がみるみるうちに治ってきたのです。今思えば、かなりひどい栄養状態だったこと、エアーマットも入ってなかったので 栄養状態が悪かっただけでないのは確かですが、栄養補給がされてなければ褥瘡もすぐ直りません。特にお年寄りで経口摂取が少ない例は、栄養状態の改善が褥瘡改善に大きな役目をすることを 目の当たりにしました。

それから、自分が栄養士として患者さんの治療に貢献できる!なんて思ってそれからアメリカで1か月研修し、実際の栄養士の仕事をみて あの当時はあまりの違いにとてもショッキングでした。

当時 日本では、アメリカの栄養士は、エプロンの代わりに白衣を着て、食品成分表の代わりに聴診器を持つ等という形で紹介されていました。様々な医師がいるように、色々な栄養士がいます。日本で紹介されていたのは、ごく一部の栄養サポート(静脈栄養や経管栄養を)専門にする栄養士のことのようでした。全体的なアメリカ臨床栄養士の仕事は、アメリカにいても日本にいても大きな変わりがないのではないかというのが 今の私の結論です。特に日本の栄養士の環境は随分変わってきていると聞いたりします。

実際、私の毎日の仕事は、病院全体の患者さんリストから、栄養スクリーニングの指標をもとに、その日、栄養評価をする患者さんを抜粋します。栄養リスクの大きい患者さん、例えば、静脈栄養、経管栄養の患者さんを先にみていきます。栄養スクリーニングの指標は、施設によって様々ですので、一日にみる患者さんは、1日、約10~から20人と様々です。

ただ、アメリカでも栄養士がまだ厨房の配膳ラインの最後尾で食事のチェックをする病院もありました。その病院は委託でしたが、その後すぐ委託会社は病院からいなくなりました。栄養士がそんな仕事をしているようでは、患者さんの栄養管理ができていないことだと病院はわかるのでしょうかね。

そういう意味でも、アメリカでも日本でも栄養士が専門家として、栄養管理の重要性を医師や病院に理解してもらえるよう働きかけるは、栄養士の仕事のひとつです。

 

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