夜中の二時。
右下腹部が痛む患者さんのため、外科のコンサルトを入れます。
腹部の超音波はどうやらネガティブ。
でも何度、お腹を抑えて診察しても盲腸のあたりが激しく痛むのです。
外科の研修医を呼びます。
すると横柄な態度で、
「超音波、ネガティブなんでしょ。なんで電話してくるの?」
こういう圧力的な態度はいけません。
超音波はネガティブでも、急性虫垂炎の診断は臨床的に行わなければいけません。
そんなことも知らんのかあ!!と心の中で叫びながらぐっとこらえる私。。。
しぶしぶやってきた先輩研修医とニコニコインターン。
さっさと診察を済ませてまともに私と話もせずにインターンをERに残して去っていった先輩。
それに比べてインターンは、夜中なのにニコニコと
「う-ん、これは臨床的にポジティブですねぇ。。。白血球も高いし。超音波ネガティブなのにね。今から指導医に連絡しますね。」
一生懸命コンサルトを受けて最後まで業務遂行しようと明るい態度で真夜中頑張る研修医。
私はバッグにひそめていたブルボンのクッキーを差し出します。
「きみ、頑張るね。その明るい態度気に入った!頑張れ頑張れ!」
ブルボンのクッキーを一口、
「美味しいですね、ありがとうございます。頑張ります!!」
とまたにっこり。
こういう研修医は伸びる!飴と鞭の飴を与える私も優れた指導医です!!!??
ただただ研修医を労働力の一環として見るのは私は反対です。
たくさん仕事が山積みで、たくさん患者さんが待合室で待っているときは、教育的価値のあまりない軽症患者をわざと選んで私が診察して帰宅させます。
そうして研修医には重症患者に集中してもらおうという考えです。
その中で教育的ポイントを私がおさえてうまく指導して行く、これですね。
ただし、怠けはいけません。
それは私も耐えられないです。
ERでの仕事は、患者さんの評価、観察、そして再評価の三本立てなのですが、重症であればあるほど、何度でも実際に部屋に足を自ら運び再評価をしなおすのが重要です。
これをしない研修医もバツですね。
忙しいときに、お菓子の一つでもあげますと、そういうときにはお昼も食べられないで頑張っているときが多いのでとても感謝されます。
それで、もっともっと頑張ってくれますね。
私のカバンの中には何かしら、日本製のお菓子が入っていますがそれはそのためなんです。
月初めのミスをいかに改善して月の終わりにどこまでERで学ぶことができるか、それが重要です。
横柄な態度はいけません。横柄な態度の研修医にはこうです。
あんたの指導医、だれや 。言うこと聞かんかったら言いつけたるで~ とあたし。
ああ、コワ。
なんて。。。