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マーティンもと子

ブログについて

ERを駆け巡ることな、なんと100年! 砂漠の町テキサス州エルパソから発信します。 元女性管制官第一号。航空機の緊急事態を処理できる能力を救急の世界に応用できる異色のおもろい元管制官医師。絶対にぶつけへんで~! Clinical Assistant Professor at Texas Tech University

マーティンもと子

女性管制官第一号として11年間運輸省勤務後渡米。アメリカ人と結婚、5人の子宝にめぐまれる。夫婦そろってメディカルスクールを苦労して卒業後夫は内科軍医、私は救急の世界へ。 日米の医師免許取得。大阪府高槻市出身テキサス州エルパソ在住 Clinical Assistant Professor at Texas Tech University

2013/02/12

ドクターPA

PAというのは、フィジシャンアシスタントのことです。
日本にはありません。
文字通り、ドクターのアシスタントなわけですが、これがまた人気のある職業でプログラムも最近は修士レベルになって入るのがとても難しくなっています。

そのフィジシャンアシスタントの教育にもかりだされた私。

いつもは一緒にERを駆け巡るまでに終わっていましたが、今回の私の役目はこのPAのPhDプログラムの指導です。
PhDは博士課程。
終了すればPAはなんとドクターに。
ドクターPAです。

これは何ともややこしい。

プログラムに入れるのは最低4年間PAとしての経験があること。
そしてGREが高得点であること。
GREというのは、アメリカの修士課程に入るための統一試験ですね。
日本にはこういうの、ありませんよね。
PAのPhDプログラムは、全部でたったの18ヶ月です。
その間、ERでの研修をして論文を書いておしまい。
私の役目はそういうPAの指導をすることですね。

終了したらDoctor of Scienceだそうです。
なんでわたしにもPhDくれへんのかなあ???
もう18ヶ月以上やってるのになあ、なんて一瞬思いましたが、この背景には軍の考え方が盛り込んであるそうです。

今現在こういうプログラムが認定されているのは米軍に属するPAのみ。
戦地に医師を派遣できないときに、ただのPAを送り込めないので、ドクターPAに仕上げて戦地に単独で送り込もうということだそうですよ。
なんともまあアメリカ的な考え方ですよね。
この観念、いずれは民間のPAにも広がることでしょう。
MDじゃなくて、ドクターPA?
非常に興味深いです。

昨夜指導に当たっていましたが、実に優秀。
選ばれた人は、やっぱしどこか違うなと思いました。

でもなんでもいいから私にもPhDちょうだい!!  

7件のコメント

  1. 18ヶ月で博士ですか!なかなか大胆ですね。それにしても政策的な戦略のもとでドクターを作り上げるとは…恐るべしです。

  2. 18ヶ月なんて修士を取るより短いんですよ。
    ほんと、すごいですよね。
    アメリカでPhDを取るのは至難の技だと聞きましたが、これなら簡単!

  3. 看護学生です。
    日本とアメリカの看護師の資格について調べているとこちらのサイトに来ました。
    アメリカの看護師の資格について、調べていくうちに、いくつか、疑問に思ったことがあるのですが、お答えいただけますでしょうか。

    PAの役割は日本の看護師の業務である「診療の補助」と「療養上の世話」のうち、「診療の補助」業務だけを行う仕事と考えても良いでしょうか。
    看護師から「療養上の世話」を取ってしまうと看護とは言いづらいと思いますので、PAは看護師とは別のどちらかというと、医師的な役割を持った職業と解釈しました。
    それでは、Drにはできて、PAには出来ないことというのはあるのですか。
    また、ドクターPAになると、PAの時には出来なかった医療がさらにできるようになるということでしょうか。
    初めての投稿で、質問ばかりして申し訳ありませんが、お答えいただければ幸いです。

    • コメントありがとうございます。
      PAは日本にない職業だけに概念がわかりにくいですが、診療の補助が主な仕事です。
      医師とほぼ同様な機能をはたしますが、医師の監督下にしか働けないのですよ。
      ドクターにできてPAにできないことですか?
      ほとんどないのではないかなと思いますがうちの病院では確かNarcoticsのオーダーができなかったように思います。またレベル1のTraumaにもレスポンドできないと思います。
      ドクターPAの概念は私もよくわからないのですが、ミリタリーの概念ですので一人でドクターの監督がなくても戦地でドクターのように機能できるということなんでしょうね。

  4. お返事ありがとうございました!
    アメリカは医師・看護師の種類が様々ありそれぞれの職種の役割を理解することがなかなか難しいです。厚かましいお願いですが、アメリカの医療職者の役割について書かれた本や論文をご存知でしたら教えてください。できれば、日本語が良いのですが、英語でもがんばって訳してみます。

  5. 実はあまりそちらの方に詳しくはなくて。。。
    一度昔PAの歴史をまとめた論文を見たことがありますが、それは個人の所有でそのPAはもううちで働いていなくてどうやって手に入れたらいいのかちょっとわからないです。
    すみません。
    もちろんそれは英語の論文でしたよ。
    たぶんそのPAがまとめたものだったんだと思います。

    • ご返信ありがとうございました。
      こんなに早くご返信していただいて
      お忙しい中本当にお手数をおかけしました。

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