前回に続いて、アメリカでの精神科受診にて、どのような質問をされ、どのように答えたらいいのかを説明します。
今回はBipolar Disorder 躁鬱病と Anxiety Disorders不安障害に関して。
まずは、Bipolar Disorder 躁鬱病。
以下の質問に対して、yes/noと答え、yesの場合は、具体的なエピソードを添えると、診断や治療のプランニングにとても役立つと思います。
1)Distractibility 注意散漫:Do you get distracted easily? 注意が散漫することがありますか?
2)Indiscretion 無分別で軽卒な行動:Do you get involved in pleasurable activities that might lead to poor consequences such as sex, gambling and shopping too much? 性交、ギャンブル、ショッピングなど、まずい結果になる可能性の高いことを、軽卒にすることがありますか?
3)Grandiosity 誇大性:Do you feel like you know a lot or have power over others?自分は知識や力があると自信がありますか?
4)Flight of Ideas 観念奔逸:Do you notice you are getting an idea after another? 次から次にアイディアが浮かびますか?
5)Activity Increase 活動性の増加:Are you more active than usual? 活動の増加はありますか?
6)Sleep (Decreased need of sleep) 睡眠欲求の減少: Can you go on and on without sleeping much? 眠らなくても活動を続けていられますか?
7)Talkativeness 多弁: Do others notice that you are talkative? おしゃべりだと言われますか?
つづいて、Anxiety Disorder 不安障害。
Anxiety Disorderというのは、診断の上での大きなカテゴリーであり、細かくはGeneralized Anxiety Disorder 全般性不安障害, Panic Disorder パニック障害, Obsessive Compulsive Disorder 強迫性障害, Post Traumatic Stress Disorder 心的外傷後ストレス障害などに分けられます。
不安障害に関して、まず1)不安の程度と頻度が多いか、2)何が不安を生じさせるか、3)不安を感じた後、何がおきるか、の3点がとても重要なポイントになります。ここでも、不安を感じた具体的なエピソードを添えて、質問に答えるといいでしょう。
1)Do you get nervous about certain things that other people don’t? (他の人には気にならないことが気になって、不安になってしまうことがありますか?)
2)Yesの場合は、What kind of situations make you anxious?(どのような状況で不安を感じますか?)といった、具体的に何が不安を生み出すのかという質問が続きます。例えば、Crowds(人ごみ)、Public Speaking(人前で話さなければならないとき)、Meeting new people(初対面で人と会うとき)などがよくある例です。
3)What happens when you get anxious? 不安を感じると何が起きますか?…よくある答え例としては、次のようなものがあります。:I sweat a lot. 多汗、I feel numb in my hands. 手の感覚がなくなるような気がする、I avoid doing what made me feel anxious again. 不安を生んだ行動を避けるようになる。 I wash my hands a lot. 幾度も手を洗う。
Do you ever get panic attacks?(パニック発作の経験はありますか?)とパニック発作に関する質問もあるかもしれません。
つづく