Passport for Careというウェブシステムです。
http://www.txch.org/passportforcare/
Passport for Careは、情報が保全されたサーバーに、各小児がんサバイバーのがん治療暦のサマリーを登録保存し、クラウドシステムが、各サバイバーの診療情報と治療終了後経過期間を元に、個別にテーラーメイドされ、かつタイムリーな、フォローアップ・モニタリングスケジュールと、膨大なCOG long-term follow-upガイドラインから抜粋された関連情報を作成します。各サバイバーのフォローアップを担当する医師(ナース)は、インターネットに接続されたPC1台あればどこでも、作成されたプロファイル、スケジュール、ガイドラインの抜粋を、得ることができます。トップページには、最新のガイドラインアップデート情報なども載っており、定期的に長期フォローアップ患者を診療する医師には、継続教育も間接的に行えます。
今後、サバイバー自身がフォローアップガイドラインなどの情報に手軽にアクセスしたり、サバイバーに必要となるかもしれない地域の各種リソースの情報を得たり、さらには自分が経験した小児がんについて、発信したりコミュニティを作ったりする機能が追加される予定です。Texas Children’sを含む、複数のパイロット施設では実際にβテストとして既に使用されており、近いうちに200以上ある全COG施設での使用が予定されています。さらにはこのシステムに関して、これから臨床研究が行われ、このシステムの利用がサバイバーのQOLに与える影響について評価されることになっています。
このシステムは、治療が進行中の患者の電子カルテとは、切り離して考えられており、あくまで長期フォローアップおよびサバイバーシップの個別化された指針を示すためのツールです。
このシステムについてのJournal of oncology Practiceの記事が以下のリンクから読めます。
http://jop.ascopubs.org/content/5/3/110.full
(続く)