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寺島慶太

ブログについて

小児がんの診療と研究における最新の話題を提供したいと思います。米国のNational Cancer Instituteが発行しているCancer Bulletinや学術雑誌などから、米国発の関連ニュースを提供したいと思います。日本ではなかなか情報が入らない、新薬の治験結果なども積極的に取り上げたいと思います。

寺島慶太

名古屋大学医学部を卒業し、6年間の国内研修後、ニューヨークで小児科レジデント研修を行う。その後ヒューストンで小児血液腫瘍および小児脳神経腫瘍フェローシップ研修を行う。現在、小児腫瘍専門医として、テキサス小児病院およびベイラー医科大学で、小児脳腫瘍の診療と研究に従事している。日本で小児脳腫瘍の包括的診療研究プログラムを立ちあげるのが目標。

11/1/2011 Journal of Clinical Oncologyより

小児がんで最も頻度の高い急性リンパ性白血病は、患者の長期生存率が80%を超えるようになり、生存率だけではなく長期生存者のQOL向上が課題となっています。化学療法の中心的な薬剤である糖質ステロイドの長期投与の合併症である骨壊死症は、小児急性リンパ性白血病患者にとっても大きな問題です。オランダからの報告によると、急性リンパ性白血病診断から治療後にかけての3年間の、骨壊死症の累積発症率は6.1%で、思春期発症と女児において発症リスクが高いことがわかりました。すべての症例で骨壊死症は下肢に発症し、発症後中央値5年のフォローアップ時点で、60%の患者で症状が継続していました。

糖質ステロイドは急性リンパ性白血病の化学療法に欠かせない薬であり、今後も骨壊死症のリスクは避けられません。骨壊死症のモニタリング・予防・早期発見・治療について、良質な臨床研究結果に基づいた、適切なガイドラインが必要とされています。

http://jco.ascopubs.org/content/29/31/4143.abstract

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