11/1/2011 Journal of Clinical Oncologyより
小児がんで最も頻度の高い急性リンパ性白血病は、患者の長期生存率が80%を超えるようになり、生存率だけではなく長期生存者のQOL向上が課題となっています。化学療法の中心的な薬剤である糖質ステロイドの長期投与の合併症である骨壊死症は、小児急性リンパ性白血病患者にとっても大きな問題です。オランダからの報告によると、急性リンパ性白血病診断から治療後にかけての3年間の、骨壊死症の累積発症率は6.1%で、思春期発症と女児において発症リスクが高いことがわかりました。すべての症例で骨壊死症は下肢に発症し、発症後中央値5年のフォローアップ時点で、60%の患者で症状が継続していました。
糖質ステロイドは急性リンパ性白血病の化学療法に欠かせない薬であり、今後も骨壊死症のリスクは避けられません。骨壊死症のモニタリング・予防・早期発見・治療について、良質な臨床研究結果に基づいた、適切なガイドラインが必要とされています。
http://jco.ascopubs.org/content/29/31/4143.abstract