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寺島慶太

ブログについて

小児がんの診療と研究における最新の話題を提供したいと思います。米国のNational Cancer Instituteが発行しているCancer Bulletinや学術雑誌などから、米国発の関連ニュースを提供したいと思います。日本ではなかなか情報が入らない、新薬の治験結果なども積極的に取り上げたいと思います。

寺島慶太

名古屋大学医学部を卒業し、6年間の国内研修後、ニューヨークで小児科レジデント研修を行う。その後ヒューストンで小児血液腫瘍および小児脳神経腫瘍フェローシップ研修を行う。現在、小児腫瘍専門医として、テキサス小児病院およびベイラー医科大学で、小児脳腫瘍の診療と研究に従事している。日本で小児脳腫瘍の包括的診療研究プログラムを立ちあげるのが目標。

先日、群馬県前橋市で開催された、第53回日本小児血液がん学会に参加してきました。小児血液と小児がんの結びつきは、血液内科と腫瘍内科のそれよりもずっと強く、基本的には二つの専門を兼ねる小児科医がほとんどです。より細分化された専門家としてのキャリアを歩むこともありますが、基本となるトレーニングと生涯教育は、両分野で行うことが世界的にも一般的です。日本では、学会が別々の経緯で設立され、日本小児がん学会は、歴史的に小児外科のかかわりや貢献が大きく、小児血液学会は日本血液学会との関係が強かったため、これまでは学会として独立していました。しかしながら、サイエンスが近く、小児科医サイドの学会員や学術集会への参加者がほとんど重複していることもあり、ようやくこの2学会が合併することになりました。これで、重複領域や境界領域の問題が解消し、スリムな体制で求心力や発信力が増すことが期待されます。

また新たに制定される、小児血液がん専門医制度も学会を中心に、制度の詳細および資格試験について議論・準備されています。ただし、学会が専門医制度の制定の中心になるのは当然ですが、専門医制度そのものの運営は学会から独立するべきだと考えます。学術研究と臨床医学のクオリティコントロールは別次元であり、これを混同するとゆがんだ専門医制度になってしまいます。たしかにリソースは限られていますが、小児がん医療を支える組織としては、学会、専門医機構、臨床試験団体が独立して機能することが重要だと考えます。

ちなみにアメリカでは上記の3種類の組織は、それぞれASPHO、ABP、COGという完全に独立した団体が運営しています。いまは移行期でしょうが、日本でも独立性と透明性の高い組織を、速やかに確立してほしいと思います。

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