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宮田(野城)加菜

ブログについて

日本の医療、在米邦人の方々の医療に少しでもお役に立てるよう、情報を発信していきたいです。

宮田(野城)加菜

東京医科歯科大学医学部を卒業後、腎臓内科研修を開始。在沖縄米国海軍病院を経て2011年夏よりアメリカ、ニューヨークにて内科研修後、ロサンゼルスにて腎臓内科専門研修を行い、指導医となりました。

2011/11/25

Seafood Diet?

外来研修中のある日、1日に私が診た患者さんの平均BMI(body-mass index)を計算してみると34でした。そして、BMIが25以下の患者さんは一人もいませんでした。ここはアメリカです。大柄な方がとても多いのです。
よく言われるように、アメリカでは肥満の定義が日本と違います。
日本ではBMI 25以上が肥満ですが、アメリカでは25-29.9がoverweight、30以上が肥満とされます。アメリカで25以上を肥満とすると、かなり多くの方が肥満と診断されることになるでしょう。日本で全く習わなかった肥満の治療薬や手術方法など、それぞれにindicationがしっかりと決まっており、意外と多くの治療法があるのだなと気づきます。

しかし、何よりも大事なことは食事と運動!何度言われても、実行できていない患者さんが多くいらっしゃいます。私の投げかける質問に、様々な返答をして言い訳してくださるのですが、これがなかなか面白いのです。

私:「健康的な食事を心がけていらっしゃいますか?」
患者:「えーと、私はseafood dietをしています。」
私:「seafoodをたくさん食べているのですか?」
患者:「No, I see food and I eat it.(いいえ、食べ物を見かけたら食べるということです)」

私:「日頃から運動していますか?」
患者:「はい、口の運動をしています。(たくさん食べてます)」

他のアメリカ人ドクターによると、「12オンスで腕を鍛えています」という答えも典型らしいです。12オンスとは340g、アメリカのビール瓶の重さです。つまり、ビールをたくさん飲んで腕の筋肉を鍛えているという言い訳らしいです。

ブログを読んでいらっしゃるみなさんも、将来の言い訳の参考にせず、ぜひ今から健康的な食事と適度な運動を心がけましょう♪

4件のコメント

  1. 最近患者さんを見ていて「普通くらいの体重だな」と思いながら、いざ実際にBMIを計算してみると30を超えていることが稀ではありません。本当に慣れって恐ろしいものです。客観的な指標を用いることって本当に大事ですね!

  2. シカゴに引っ越してから、一段と肥満の人が増えました(患者さんの両親)。
    数年のうちにアメリカの全人口の半分が肥満になるそうです。更にその後もうなぎのぼりに増えるそうです。むしろ、痩せている人を特殊と見る世界になるんでしょうか、、、。
    このサイトに地図もなかなか恐ろしい物があります。
    http://www.cdc.gov/obesity/data/trends.html

    • 浅井先生;リンクの地図見ました。確かに、この急激な増加具合は恐ろしいですね。

  3. ハワイの病院で栄養士をしています。

    アメリカでは(病院によってポリシーが若干違いますが)、
    BMI>40の患者さんに入院から48時間以内に栄養指導する義務があります。脂肪率は考慮しません。それだけで1日何人もの患者さんが私のリストにあがることがしばしばです。

    ハワイは、ポリネシアの文化も助長して太っていること、体ががっちりしていることが美徳です。
    正直なところ時々パンフレットだけおいていくときも。栄養指導をすることが文化を否定するような感じがを受けることもあります。患者さんは心不全などおこるまで、全く太っていることに問題を感じませんから。

    BMIの最高は90台の患者さんでした。計算間違えかと思いました。

    肥満が多い州のひとつミズーリ―州では、体重コントロールのための栄養士が不足している噂もありました。

    面白いダイエット、参考になります!ありがとうございます。

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