ER(Emergency Room) とは、いわゆる救急救命室ですが、日本と比べるとかなり設備が整っている印象をうけます。
トリアージ(患者の重症度を選別すること)が発達している米国では、ERを受診するとまず専門の看護師が熱、脈拍などのバイタルサインをとり、簡単な問診をして、患者の優先度を決定します。そして、重症の患者から先に診察して行くのが基本です。もし、軽症と選別されると、診察を受けるまで数時間待たされることもよくあります。基本的には、ものすごく具合が悪いとき以外はERを受診することは勧めませんが、以下のようなときはERを受診した方が良いでしょう。
モンキーバー(うんてい)から落ち腕をついて骨折が疑われる、乳児がベットなどから落ち頭を打った後、嘔吐するなど普段と様子が違う、熱をだしてけいれんをおこした、ずっと吐き続けて何も口にできずぐったりしている、コインや何かを飲み込んだ、などでしょうか。
もし、自分で判断がつかずに迷った場合は、主治医の先生のクリニックに電話して指示を求めるのがいいでしょう。
そのほか、予約なしで診てくれるUrgent careをもつ病院もあります。これは、主に軽症の患者をみる外来施設で、たとえばずっと熱が下がらない風邪や擦り傷などの治療をしてくれます。ただ、ERと違い24時間は開いてはおらず、夜間は休診しているので気をつけて下さい。万が一のために近所のER, Urgent careの場所を調べておくことをお勧めします。
Poison control centerをご存知ですか。これは、こどもが間違って大人の服用薬を飲んでしまったり、自殺未遂で大量に薬を飲んだり、はては毒をもつ蛇やクモからかまれてしまったときなどに、膨大なデータに基づき、「その薬は副作用が重大なので病院に今すぐ行きなさい」、または「自宅で様子をみて大丈夫ですよ」などのアドバイスをくれる施設です。電話番号は、全米共通で 1-800-222-1222です。この番号にかけると、州内のPoison control centerに自動的につながります。