またまた久しぶりの更新です。
今年1月から念願叶い、大学病院のNICUで働いています。アメリカでは大学病院など医療者への教育を積極的に行っている病院をTeaching hospitalと呼んだりします。Teaching hospitalでは、看護師として学ぶ機会が豊富であるのと、卒後教育へのサポート等がとても充実しているので、生涯教育を必要とするナースにとって心強い職場です。アメリカで働き始めてから6年越しでようやく満足のいく職場で働くことができました。振り返れば6年前にフロリダの片田舎の何もない地のベッド数100床の病院の小児科6床というところからスタートし、780床強の大学病院のNICU38床で働くようになるまでそれぞれの職場で色々な経験をしてきたものだと感慨深いです。
現在の職場は自宅から自転車で通勤でき、今までの一時間近くの車での通勤と比較すると格段にQOLがあがりました。そんなわけで、少しずつナースとしての今後の展望も考えるゆとりがでてきたように思います。
現在の職場へはNICU経験者で採用されたため、プリセプターとのオリエンテーションを通常12週間のところ短縮した8週間で修了しました。オリエンテーションでは新たなNICUケアを学ぶというよりは、病院により少しずつやり方や決まりが異なる部分に慣れるという主旨と、単純にこのナースを独り立ちさせて安全かというところの審査期間だったのだと思います。
今まで働いていたNICUとの違いは沢山ありますが、大まかな物としては、ベッド数、医療者数など全てにおいてスケールが大きくなった、組織としてシステムがきちんと構築されている、病院・病棟としてさまざまなサティフィケートや、アワードを獲得するため日々努力をしている、他職種もさらに細分化され、入院患者さんを対象にしたリサーチが日常的に行われているということがあげられるかと思います。
実際の自分の業務内容としては何か今までと比べて高度なことをしているかというと、分娩・帝王切開件数が増えたことで、立ち会いに行くお産件数が格段に増えましたが、前の病院と同じレベルⅢNICUであるため、いくつかの特別な治療を除いては、ほぼ同じといってよいと思います。
それでも、やはりTeaching hospitalで働くと、ただ業務をこなすというのではなく、日々仕事をしている中で学ぶ機会や刺激を受けることができるということは、今後キャリアアップを考える上でのメリットは大きいです。
NICUの回診一つとっても、ドクター(大学病院システムなのでAttendant, fellow, resident最低3名)、ナースプラクティショナー、フィジシャンアシスタント、ラクテーションコンサルタント、栄養士、ソーシャルワーカーが基本メンバーで、それぞれの専門家が最新の知識を持ち寄っているのでとても勉強になります。(そのほか薬剤師、呼吸療法士、 作業療法士、理学療法士なども症例により参加します。)他職種チーム内でのコミュニケーションのとりかたでも、上下関係がなく質問し易い環境であり、みな教えることにとても献身的でとてもよい雰囲気です。また、ナースが最も患者のベッドサイドにいる時間が長いという事から、他職種みな、ナースの意見によく耳を傾けくれています。7年前にはなりますが、日本で働いていた大学病院のNICUではナースは回診に参加することすらなかったことを思い出すと、だいぶ違うと感じます。
スタッフのトレーニングに関しては、NRP(新生児心肺蘇生プログラム)のメガコードを定期的に業務にとりいれたりしています。蘇生の必要なお産の症例を高精度のマネキンで模擬的に作り、蘇生チーム全員で技術と知識の模擬練習ようなものを抜き打ちで業務時間内に行います。その後、メンバーで実際どうであったか意見交換をします。
そのほかにも Journal clubのメンバーが選んだ看護系論文をその日勤務しているナースとともに業務の合間に抄読会を行ったりしています。
構えて、勉強する/教育するというのではなく、日々の仕事の自然の流れの中にこのような教育目的のものを組み込むのがとても上手いと思います。
このような日々の気付きを今後も少しずつ更新していけたらと思います。
現在30歳アメリカ人の夫と二人の子供達に囲まれ神奈川県に住んでおります。
明日看護学校の願書を郵送します。
また看護学校に合格や入学もしていませんが、ブログを読ませて頂きより看護師になりたいと強く思いました。
たくさんの情報ありがとうございます!
和子さん、コメントいただき私も励みになります。こちらこそありがとうございます。
看護学校へ入学できますように、がんばってください!