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ブログについて

「日米腎臓内科ネット活動ブログ」で腎臓に関する話題を中心に書いています。「日米腎臓内科ネット」は、腎臓内科における臨床教育、研究、移植の発展に興味を持つ日米の医療関係者が、メーリングリストやブログ、セミナーなどを通じて情報交換をしていくことを目的とした団体です。

三枝 孝充

米国NY生まれ。10歳で日本へ戻り帰国学級でリハビリ後、何とか大学を卒業。防衛医科大学校病院などで研修をし、2006年にN programのサポートを得てNYの Long Island College Hospitalで内科研修、2009年からMedical U of South Carolinaで腎臓内科研修中。日米腎臓内科ネットメンバー。

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2011/12/10

Professional Development Seminar その1

Professional Development Seminar その1

先日アメリカ腎臓学会のプレコースの一つProfessional Development Seminar(プロフェッショナリズム養成講座)に参加しました。2日間にわたって、「腎臓内科医としてのキャリアの作り方」を中心にいろいろ議論が交わされました。腎臓内科医として中長期キャリアプランの立て方、clinician scientist/clinical educator/private practice(臨床研究家、臨床教育家、開業)の選択 、グラントの仕組み、リーダーシップ/イノベーション、面接で必要なこと、論文やグラントの書き方、プロモーションに必要な要素、契約給与の交渉術など含め、多くの分野についてレクチャーや小さなグループセッションがありなかなか良い経験でした。また1:1mentoring(マンツーマンメンタリング)といって、各参加者が経験のあるmentorたちと個人的に面談をし、自分の履歴書や将来の展望についてカウンセリングを受けられるセッションもありました。

腎臓内科は以前にも書きましたが、米国では比較的人気のない分野になっています。理由はたくさんありますが、そのうちの一つは、進路決定を医学生のうちにする人が多いということです。腎臓内科を考慮したが最終的に選択しなかった人の多くには「腎臓生理がわからない」「透析は複雑」といった意見が多いそうです。腎臓内科医に限りませんが、医師は学生や研修医「教え方」を正式に教わりません。「~がよくわからない」という学生や研修医のレスポンスの理由の一因は教える側にも少しあるのかなと思いました。医師のためのフォーマルな「教え方」に関するトレーニングがレジデンシーフェローシップ中にあってもいいのかもしれません。

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昇進の基準に関してアメリカははっきりしていますね。教授(準教授)になるには1)…2)…と事細かにどの大学(病院)のサイトに書いてあります。日本ではないですよね。どのような基準で選抜されているか不透明な日本の教授選と違って、アメリカはわかりやすいですし公正です。こちらでは履歴書に年齢を書く必要もありませんし、昇進の要素を満たしていれば誰でも応募可能なわけで、年功序列はありません。アメリカは日本の医局制度と違いがあるのも関係していると思います。私のいる大学の腎臓内科プログラムは小~中規模ですが、教授、准教授それぞれ6人、講師はその倍程度ですから、教授1人、準教授2人…とピラミッド型の日本の医局とはまったく違います。また最近はclinical educator(臨床教育家)などがclinician scientist(臨床研究家)と同等な位置づけにどこの施設でもなりつつありますが、彼ら「教えること」がメインの人たちを正当に評価することがいろいろなプログラムで課題となっています。次回はこのセミナーでいろいろ議論された「医師/科学者がinnovativeであるには」について書いてみます。

T.S

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