アメリカでは、多くの医師や看護士が小児がんのサバイバーシップについての研究を行って折り、その研究結果や専門家のアドバイスに基づいてChildren’s Oncology Groupが包括的で詳細なガイドラインを作成しています。そしてそれを元に拠点となる小児がんセンターでは長期フォローアップ外来が運営されています。長期フォローアップ外来で、診療に当たるのは必ずしも小児がん専門医だけではなく、ナースプラクティショナー、看護士、臨床心理士やソーシャルワーカーなどの多職種からなるチーム医療がここでも重要です。
しかしながら、多くの長期サバイバーは、進学や就職などを契機に、地域に戻っていったり、親元から巣立っていく過程で、長期フォローアップ外来や小児がん医療施設から離れていくのが現実です。それでも、長期合併症や二次がんなどの問題は一生サバイバーがつきあっていかなければなりません。エビデンスに裏打ちされたガイドラインが求める、長期にわたって継続的に必要なケアを、たとえサバイバーがどこかへ移動しても、ローカルなプライマリーケア医のもとで受けられるシステムを、私が在籍しているTexas Children’s Cancer CenterのdirectorであるDr. Poplackが長い年月と研究費を投じて開発しました。
(続く)