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最適な医療とは何でしょうか?命が最も長らえる医療?コストがかからない医療?誰でも心おきなくかかれる医療?答えはよく分かりません。私の日米での体験や知識から、皆さんがそれを考えるためのちょっとした材料を提供できればと思います。ちなみにブログ内の意見は私個人のものであり、所属する団体や病院の意見を代表するものではありません。

反田 篤志

2007年東京大学医学部卒業。沖縄県立中部病院で初期研修後、ニューヨークで内科研修、メイヨークリニックで予防医学フェローを修める。米国内科専門医、米国予防医学専門医、公衆衛生学修士。医療の質向上を専門とする。在米日本人の健康増進に寄与することを目的に、米国医療情報プラットフォーム『あめいろぐ』を共同設立。

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2018/01/30

「アメリカでお医者さんにかかる」請求額が高すぎると感じたら

(この記事は、『アメリカでお医者さんにかかるときの本』の内容を一部抜粋・修正して掲載しています。書籍の概要は保健同人社Amazonでご確認ください。)

請求額が高すぎる、どうもおかしいと思ったら?もしも保険会社の支払い拒否にあったら?アメリカでは非常によく起こる問題ですので、対処方法を知っておきましょう。

・請求額がおかしいと思ったら、まず保険会社に電話

まずは保険会社に電話して問い合わせます。電話をためらってはいけません。この手の問題はアメリカでは日常茶飯事で、保険会社にクレームの電話をしたことのない人を探すのがたいへんなほどです。保険会社も慣れていて専門部署がありますので、軽い気持ちで電話してよいでしょう。雇用主を通じて保険に入っているのなら、雇用主の保険担当者に相談に乗ってもらいましょう。会社の保険担当者は保険会社の担当者との関係が近く、保険会社側から納得のいく説明を得られる可能性が高いです。

日本人はなんでも自分で解決しようとしてストレスをためがちですが、アメリカ人は基本的に困っている人を助けるのが好きなので、 問題が起こった場合は多くの人に相談し、早めに解決策を探すのが得策でしょう。

・もしも支払い拒否にあったら

さて、保険の問題でいちばん厄介なのは保険会社の「支払い拒否」(Denial)です。保険金の支払いに関しては各保険会社でガイドラインが設けられています。自分の受けた診療内容が「カバーされる保険内容に含まれていない」場合は、保険の支払いを拒否されます。考えられる例としては、救急室受診しかカバーしない保険で通常の外来診療を受けた場合や、保険でカバーしない高額な検査や投薬を受けた場合などがあります。

支払い拒否があると、患者とクリニック双方が不幸になります。クリニック側ではこのような問題が起こらないように、患者さんの保険がクリニックの受診をカバーするか否かをチェックしますし、保険会社にはねられる可能性の高い高額な検査、治療は、事前に保険会社に支払い確認をしてから施行するようにしています(保険会社からの事前認可をPre-authorization と言います)。

それでも支払い拒否が起きるのは──

①上記のようなチェックから漏れてしまった場合

②以前の診察や検査から十分な時間が経っていない(受診、検査頻度が多すぎる)場合

③保険会社側の理不尽な決定による場合

──などがあげられます。

①②の場合は、クリニックの担当者と話し合いをするのがよいでしょう。クリニック側の担当者は医師ではなく、オフィスマネージャー(Office Manager)という役職の人です。オフィスマネージャーに電話をして事情を説明します。請求を取り下げるか減額してくれる可能性が高いと思います。

③の場合は両者にとって悲劇ですが、実際に起こりえます。この場合にも、クリニックに相談します。事情を斟酌してくれるはずです。クリニック側も理不尽な保険会社の決定には何度も痛い目にあっているので、患者さんの訴えを敵視することはありません。ですから、けんか腰で交渉にあたる必要はありません。自分が困っている旨を淡々と説明するとよいでしょう。クリニック側が、保険会社が拒否した分を患者さんに全額請求するということは通常ありません。

どんな問題でも、起った後に処理しようとすると気力と体力と時間がかかり、たいへん疲れます。医師がオーダーした検査や治療内容を自分の保険がカバーするかどうか不安なときは、保険会社に確認してから検査、治療を受けたほうがよいでしょう。 

(齋藤 雄司)

 

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より詳細な内容を知りたい場合は、アメリカで活躍する20人の医療従事者が執筆した『アメリカでお医者さんにかかるときの本』をご参照ください。保健同人社AmazonKindleアメリカ紀伊国屋、など多くの書店およびオンラインショップで手に入れることができます。

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