研修医のトム君ははりきりやで有名。
いつも勉強しているのでみんなからウォーキングディクショナリーだなんてあだ名もついています。
そうそういつも早く一人前の医師になりたいと人一倍の努力をしていますよ。
まるで私の若きころみたいやなあ。
私も管制官だったころも、研修医だったころも人の10倍くらい努力したなあ。
トム君は朝の4時には病棟に。
仕事から解放される10時間後も、気になる患者さんを心配して自主居残り。
重病患者を扱ったときは自分の受け持ちではなくなってもICUまででかけてお見舞いをします。
まったく研修医の鏡やなあ。
私も文句一つ言わずに居残ったし朝も鶏が起きる前に出勤してたなあ。
さて、そのトム君。
ICUでの研修中のお話。
受け持ちの患者の容態が悪くなり、呼吸不全を起こしました。
指導医のドクタースミスが呼ばれベッドサイドで気管挿管の準備が始まります。
トム君、指導医に向かって興奮しながらこう尋ねます。
「スミス先生、挿管ボクにやらせてください!!」
トム君、患者を助けたい一心もさながら挿管やりたい一心で、よだれ?をたらしながら聞いたわけです。
すると、スミス先生、
「挿管はボクがやるから。君はバッギングをしなさい。君の役目はバッギング! 君それもわからないのかね。」
トム君、「。。。。。。」
そして次の日ICUに運ばれてきた脳性麻痺で全身が拘縮している患者さん、中心静脈カテーテル(セントラルライン)を大腿静脈に挿入することになりました。
スミス先生がこう言います。
「トム、行くぞ!今からセントラルラインを入れるぞ。」
それを聞いたトム君、顔がパッと輝きます。
やっとボクにもお鉢が回ってきたぞ、がんばってセントラルライン入れさせてもらおう、とトム君。
いい経験がつめるとルンルン気分です。
まずは、スミス先生から陰毛を剃るように指示が出ました。
トム君、頑張ります。
次に準備をしっかりして さあ、いざという時にスミス先生がこう言いました。
「君の役目は挿入の間 金○○を持ち上げること。そうしたらボクがやりやすいからね。」
そう、トム君またもや経験をつませてもらえませんでした。
彼は挿入中ずっと言われたとおり金○○を持ち上げていました。。。
トム君、気管挿管も、セントラルラインも私が指導医のときはやらせてあげるからね。
君の役目は、研修医の役目はたくさんたくさんいろいろな症例をみていろいろな経験をすることだからね!
気を落とさずにがんばれ、がんばれ!!
野球部やテニス部の「球拾い」の段階ですね。私もペースメーカーの植込みを習ったときは、三ヶ月間は手術の手伝いだけでした。でもそのおかげで、実際に自分でやり始めたときには、「門前の小僧習わぬ経を読む」状態でしたが。指導医の方針にもよりますよね。
特に私が何か創作をアップした時に誰からもコメントがないと落ち込みますので自分で勝手にコメント書いています。。。お許しを。
実は研修医たちがProcedureの経験をさせてもらえないと嘆くのを見て、それならと思いついたのがこれ。
トム君のようないいクオリティの研修医は実は見かけないです。
残念ですが、我々のように時間制限なしで奴隷のようにこき使われて研修時代を送ったのと大違いで今は法律が厳しく彼らを守っています。当直は10時間以上病棟でできないそうで夜の当直は二分割だそうです。
それでもインターンはぶーぶー文句を言うそうですよ。
時代は変ったのね。。。
でもこういう研修医ひとりくらいいてもいいのになあ、なんて。
斉藤先生、コメントくださっていたんですね。
うれしいうれしい!
ありがとうございます。
また何か創作します。日本語のリハビリにこれが一番いいんです。
辞書ひきひきですが、何とか文章になっているのが誇りです。
ありがとうございました!
創作だったのですか!?てっきり本当の話かと…リアリティがありすぎます(笑)
リアルですか?
うれしいですねぇ。
そのうちデビューしますんで。。。あ、違うか。