Skip to main content
野木真将

ブログについて

ハワイは温暖な気候と全米一のCultural mixが見られ、医師としての幅広さを養うにはいい環境と感じています。 旅行だけでは見えない、ハワイ在住の魅力もお伝えできればいいなと思います。

野木真将

兵庫県出身、米国オハイオ州で幼少期を過ごす。京都府立医大卒、宇治徳洲会病院救急総合診療科の後期研修を修了。内科系救急を軸とする総合診療医として活躍したい。よきclinical educatorとなるため、医師としての幅を広くするため渡米。2014年よりハワイで内科チーフレジデントをしながらmedical education fellowshipを修了。2015年よりハワイ州クイーンズメディカルセンターでホスピタリストとして勤務中。

★おすすめ
 「海外の病院で実習見学したい」という問い合わせをよく受けるようになったので、一度まとめておきたいと思います。前回は医学生編でしたので、今回は卒後の医師編です。
 再度強調しますが、海外での医師免許を保持して正式な卒後臨床研修を修了しているわけではないので、近年の米国では臨床への参加は制約が厳しい状況になっています。見学(オブザーバーシップ、シャドウイング)が主な活動ではあっても、その後の進路選択の判断材料になり、学習動機の維持に役立つので、是非とも若手医師の皆さんには積極的に海外に出るチャンスを利用して欲しいと思います。

● 主に医師を対象に募集しているエクスターンシッププログラム

1)野口医学研究所 海外エクスターンシッププログラム

  •  支持団体:野口医学研究所
  •    募集タイプ:全国公募
  •  応募条件:医学部6年生もしくは卒業後日本の医師免許を取得している者。USMLEに合格していることが望ましいが、これに準じている医療英語能力を有している者も可能。
  •  応募/派遣時期:例年11月応募締め切り、例年12月の冬季セミナーで選考会、面接を経て派遣時期決定
  •  留学費用負担:補助金の記載なし。登録料は5万円。滞在費や航空券代など全て自己負担。
  •  留学先:提携先のトーマスジェファーソン大学(TJU)関連病院、ペンシルバニア大学(UPenn)関連病院、などで3-4週間過ごす。UPennでは小児科、TJU大学ではその他の領域(救急科・精神科など)について研修をおこなう。

*レガシーヘルス(Legacy Health)関連病院は現在調整中。
*ハワイ大学での派遣は終了。

  •  目的:病院での見学により見聞を広めることが目的。知り合いを増やして情報を仕入れるとともに、推薦状を書いてもらえる指導医をみつけるためのきっかけを得られる。

2)野口医学研究所 海外オブザーバーシッププログラム

  •  支持団体:野口医学研究所
  •    募集タイプ:全国公募
  •  応募条件:医師、看護師、歯科でTOEFL PBT 500点(CBT 173点、iBT 61点)以上が望ましい。
  •  応募/派遣時期:随時募集、スカイプ面接を経て派遣時期決定
  •  留学費用負担:補助金の記載なし。登録料は5万円。滞在費や航空券代など全て自己負担。
  •  留学先:提携先のトーマスジェファーソン大学(TJU)関連病院、レガシーヘルス(Legacy Health)関連病院、ペンシルバニア大学(UPenn)関連病院、ハワイ大学(UH)関連病院などで1-4週間過ごす
  •  目的:病院での見学により見聞を広めることが目的。従来のエクスターンシップよりも募集の門戸を広く取っている。

3)ハワイ大学 エクスターンシッププログラム

  •  支持団体:University of Hawaii John A Burns School of Medicine (JABSOM)
  •    募集タイプ:大学連携
  •  応募条件:ハワイ大学と提携(MOU)を結んでいる日本の医学部(ウェブ上に公開)卒業生
  •  応募/派遣時期:随時募集、スカイプ面接を経て派遣時期決定
  •  留学費用負担:なし。授業料はないが、宿泊費や航空券代など全て自己負担
  •  留学先:4週間をKuakini Medical Centerで過ごす。
  •  目的:レジデント病棟チームの一員として過ごし、米国での診療経験を得る。家庭医との外来シャドウイングもある。

4)N-プログラム

  •  支持団体:東京海上日動メディカルサービス
  •    募集タイプ:全国公募
  •  応募条件:日本の医師免許を所有し、ECFMG certificate 保持者
  •  応募/派遣時期:1次選考会は10月上旬、2次選考会は11月下旬、留学開始は7月
  •  留学費用負担:なし。授業料はないが、宿泊費や航空券代など全て自己負担
  •  留学先:ニューヨークでのBeth Israel Medical Center (BIMC)
  •  目的:米国の教育病院における臨床医学レジデンシー・プログラムに日系の若手医師を派遣する民間のプログラム。Nプログラムは NRMPとは別枠の扱いになっており、アメリカの教育病院で臨床研修を希望する日系の若手医師にとって 大変ユニークで有利なプログラム(HPより抜粋)

5)ACP International Fellowship Exchange Program (IEFP)

  •    支持団体:米国内科学会本部(America College of Physicians)
  •    募集タイプ:全世界公募
  •  応募条件:米国以外の居住者でACPの支部会員であること。
  •  応募/派遣時期:2017年度の応募締め切りは8/1。派遣時期は3月か4月。
  •  留学費用負担:ACPより$8000の補助金あり。さらに参加者にはACP総会(2018年度は ニューオリンズ)への参加費補助あり。
  •  留学先:米国内の病院(記載なし)
  •  目的:若手内科医師に米国もしくはカナダの病院での4週間の実習を体験し見聞を広めると共にACP総会と教育活動への参加を支援する。

6)FMG Portal

  •    内容:米国での提携レジデンシープログラムに3-6ヶ月単位で留学を斡旋する業者。実習先の斡旋だけでなく、レジデンシープログラム応募に必要なERAS書類の準備やビザの申請手続き補助も行う。
  •  費用:毎月派遣会社に支払いあり。
  •  応募条件:医学生を対象とするコースと卒後の医師を対象とするコースあり。
 *こちらは特定の留学コースではなく、営利目的の業者ですのでご自身の責任でお問い合せください。

● 主に医師を対象に募集している短期海外ワークショップ

1)ハワイ大学PBLワークショップ

  •    支持団体:University of Hawaii JABSOM Office of Medical Education (OME)
  •    募集タイプ:全国公募
  •  応募条件:指導医対象。講義を理解できる程度の英会話能力は必要。
  •  応募/派遣時期:例年10月上旬が応募締め切り。ワークショップ時期は10月下旬。

*2017年度は10/2応募締め切り、10/24-27に開催。

  •  留学費用負担:補助金なし。ワークショップ参加費は$1200(授業料とホテルからの送迎を含む)。滞在費と航空券代は実費負担。
  •  留学先:ハワイ大学医学部での3.5日間のワークショップ
  •  目的:医学生を対象としたハワイ大学の歴史あるProblem Based Learning (PBL)指導方式を学ぶこと。

まとめ

  •  きっと他にもあると思いますが、今回は筆者の知識や経験を元に卒後の医師を対象としたエクスターンシップやワークショップを紹介しました。各種学会主催のものもご確認ください。
  •  このような実習を支援している医師は教育熱心であることが予想されますので、臆せずに積極的に問い合わせをしてみることをお勧めします。

1件のコメント

  1. 野木 真将 先生

    はじめまして。ブログをとても興味深く、拝読しています。私は、現在、京都大学公共政策大学院で救急医療の法制度を研究している小西敦と申します。現在、EMTALAについて勉強中です。突然のお願いで恐縮ですが、ハワイに行く折に、野木先生のところにお邪魔して、EMTALAについて、ご教示をいただくことは可能でしょうか?

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。


バックナンバー