Skip to main content
熊倉純子

ブログについて

NICU(新生児集中治療室)で、毎日多くの事を学び、よい仲間に囲まれながら楽しく働いております。そんな中で、日々経験したことや、気がついたことについてお伝えできたらと思います。

熊倉純子

東京都出身。高校時代に1年間アメリカへ交換留学。日本赤十字看護大学卒業後、慶應義塾学病院で6年半ほど小児科新生児領域で看護師として勤務。看護師のキャリアを考える中、 アメリカの医療看護事情に興味を持つ。RN (Registered Nurse) ライセンス取得後、アメリカへ看護留学し、 OPT(オプショナルプラクティカルトレーニング)としてフロリダ片田舎の総合病院小児科にて1年間勤務。一旦日本に帰国し、日本看護協会に1年間勤務するも、再び渡米、アインスタインメディカルセンターNICUへ2年半勤務後、現在のペンシルバニア大学病院NICU勤務にいたる。

“熊倉さん今日は、初めまして。日本の大学の心理学部を卒業したあと、アメリカの大学で看護学を学ぶ事を志し、今年9月からUNRに編入することになりました。

よくご存知の通り看護学部はとてもとても競争率が高く、pre-requisie courseを高い成績で卒業してもwaiting list待ちという現状だそうです。私はこれまで文系の勉強しかしてこなかったので、東京にあるインターナショナルカレッジに1年通いalgebra, biologyなどの理系の基礎科目を取り、それらの単位は移行されます。

しかし、、、一番の懸念が、、、pre-requisite courseを修了してapplyし、failしてしまったら、、、もちろんそんなこと覚悟で臨まなければいけないのですが、23歳という年齢が、大きなリスクを冒すことにストップをかけてしまっています。RNではなくLPNなどについても調べているのですが、看護学の知識の無い者がアメリカでLPNになることは可能なのでしょうか?調べたところ、RNよりも短い時間で修了できると知りました。ご存知の事あればアドバイス下さい。宜しくお願いします。”

harunaさん、コメントありがとうございます。

近年、アメリカの Nursing コースは競争率が高く入学するのに待つという話しは聞いたことがあります。ナースの需要と供給のバランスを保つのは日本でもアメリカでも共通の悩みなのかもしれません。少し以前のデータにはなりますが、右記のリンクにwaiting listなしの学校について取りあげられています。http://www.discovernursing.com/schools#types=no-waiting-list アメリカで Nursing course への入学が waiting listになってしまう理由に出願者数の変動のみでなく、講師(教授などの教える側)の人員不足もあるようです。そのあたりの見通しについてに UNR へ問い合わせ、Nursing course の募集状況の現状と見通しについて話しを聞いてみてはいかがでしょうか。また、アメリカは広いので waiting list の状況は地域によっても異なってくると思います。何が何でも UNR の Nursing course というのでなく、waiting list になってしまう場合は他の学校のコースも視野に入れてもよいというのであれば、UNR以外の候補の学校をいくつか選び、それぞれの学校にも事前に問い合わせをしてみるのが良いと思います。いくつか滑り止めのように候補を決めておけば UNR のcourse が waiting list になってしまった際に時間を無駄にすることがないと思います。

年齢についてですが、23歳が大きなリスクを冒すと書かれていますが、どのようなリスクを想像していますか?節目節目の年齢が気になってしまう気持ちは私もありました。しかし、最終的にはどれだけその夢を叶えたいという思いがあるかということになるのだと思います。私の場合、やらないで後悔するより、やれるところまでやってみてそれでも無理だったら悔しい思いはあるけれど、自分なりに納得し消化できると思っています。少し話しはそれますが、年齢ということでは、私が高校生の時に1年間アメリカへ交換留学した際、帰国後に自分の下の学年に編入するということに抵抗を感じていました。しかし、実際に帰国し、下の学年に編入後は留学以前に抱いていた強い不安と抵抗を感じることは全くありませんでした。現在も周囲にRNとして働きながらNPのコースに通うもの、Nursing でない学位を取得後にRNを目指すもの、子育てをしながらフルタイムで働くものなど年齢もバックグラウンドもさまざまです。また、私が日本で6年半の病院勤務後にアメリカへ留学した際のクラスメイトは、母国に家族を残し留学しているもの、母国で病院の管理職として働いた経歴を持つものなど本当にさまざまでした。言うのは簡単ですが、23歳は若くこれから大きな可能性に満ち、自分の意志でどのようにも軌道修正していける年齢だと思います。

RN vs LPN/LVNについては、私の知る現状についておこたえします。LPN/LVNは日本でいう準看護師の位置づけに似ていると思います。LPN/LVNの病院への就職はとても限られてきており、大きな総合病院やUniversity附属のteaching hospitalなどでは、RNの募集に際し、応募要項にBSN (Bachelor of Science in Nursing: 看護学士) をprefferedからrequiredに変更し表記している病院を徐々に見かけるようになってきています。参考までに The National Council of State Boards of Nursing のHP内 https://www.ncsbn.org/2731.htm にRN, LPN/LVN それぞれの役割について定義付けが書かれています。実際の業務範囲については、州や病院ごとに取り決めがあります。一例ですが、以前私が働いていたフロリダ州の病院のTさんは、とても仕事ができ周囲からの信頼も厚いLPNでした。患者さんからはLPNもRNも同様に一律にナースとみられているようでしたが、静注の薬や点滴挿入は認められておらず、Tさんの受け持ちの患者さんにそれらの処置が必要な場合は T さんは同僚の RN に依頼していました。T さんは病院側から今後、病院が RN しか採用しなくなるので、もし働き続けたいのであればRNを取得するように勧められていました。また同僚のM君はASD (Associates Degree in Nursing) のRNでしたが、病院からBSNを取得するよう勧められ、フルタイムとして働きながら病院から学費100%のサポートを受け学校に通っていました。ちなみに今私が働いている病棟にはLPN/LVNはいません。RN vs LPN/LVN を考える際には、harunaさんが将来的にどのような setting で働きたいかということを考えてみるとよいかと思います。病院以外の setting の方が LPN/LVN の需要は高いのだと思います。両者は異なるライセンスであるため、LPN/LVN として一定期間実践したとしても RN になるためには、また必要な教育を受け、NCLEX-RN を受験しなくてはなりません。こちらもだいぶ古いですが、興味深い資料なので紹介します。U.S. Department of Health & Human Services が発行している、http://www.credentialwatch.org/reports/lpn.pdf です。進路を決めるのは悩む事が多いですが、それだけ可能性もあるということだと思います。是非がんばってください。

 

 

 

 

2件のコメント

  1. 熊倉さん

    大変遅くなってしまいすみません。とても丁寧に回答して頂いて本当に助かりました、ありがとうございます、、、!!!
    ご指摘頂いた通りwaiting list無しの学校を調べてみたのですが、確かにあらゆる州に数多くありました。UNRの看護学部に行くのが本望ではありますが、看護師の資格を取る事が目的なので、選択肢をなるべく多く持つためにもUNR以外の学校にもapplyしようと思います。

    RN/LPNについてもご指摘頂いた通り、調べるにつれて、LPNの資格を取ってもRNほど就職の場が無いとの答えが出てきました、、、
    本当におっしゃる通りです、とても長い道のりにはなりますが、腰を据えてRNに挑戦したいと思います!!!
    熊倉さんにアドバイスして頂いたお陰で、看護師を目指す事は決して不可能ではないのだとあらゆる可能性や選択肢があるのだと分かりました。
      本当に有り難う御座いました。

    はるな

    • はるなさん、コメントありがとうございます。情報が役立ったようでよかったです。応援しています!

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。


バックナンバー