2020年、米国で働く日本人のセラピストとして、考えることの多い1年でした。現在私は外来でセラピーを行なっています。ロックダウンに伴い、それまでなんとなく避けていたテレセラピーへの移行を余儀なくされましたが、思いの外スムーズに進んで拍子抜けしたりもしました。反面、セラピストやクライエントの努力ではどうにもならないことも経験し無力に感じたり、セラピストの役割について考えました。お問い合わせもたくさんいただき、セラピーのニーズを強く実感しています。
新しいクライエントから連絡を受けるとき、BIPOC(black, Indigenous and people of color)のセラピストを探していますと言われることがあります。クライエントとのお話や他のセラピストとの会話の中で、様々な特権や格差、差別について話題になることも多いです。日本で暮らしていた時には考えもしなかったようなことが目の前に提示され、分からないこと、知らないことの多さと深さ、複雑さに怖くなります。経験を重ねて少しずつ自信もついてきていますが、まだまだ学びはつきません。クライエントのニーズに応えられるセラピストでありたい。米国で働く日本人のセラピストとして、サポートを必要としている誰かの役に立ちたい。思いを実行するための道程は終わりがないのだと痛感しています。私の学びに付き合ってくれている先輩や同僚、友人達にも感謝しています。
2021年は、どんな年になるのでしょうか。