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北原大翔

ブログについて

一体手術室の中では何が行われているのか、手術室から見えてくる日本とアメリカの面白い違い、独身心臓外科医の生活・遊び・恋愛など誰も興味ないけど日本にいる医師にはなかなか書きづらい話題を包み隠さず発信しています。

北原大翔

1983年東京生まれ。2008年慶應義塾大学医学部卒業。モテるために心臓外科になりアメリカ留学を目指す、が、海外生活を嫌がる女性達からことごとく求婚を断られ完全に裏目に。しょうがないので2016年より単身渡米。現在ワシントンDCのMedStar Washington Hospital Centerで心臓外科医として働く。独身彼女なし。NPO法人 Team WADA (医療者の海外留学・就労を支援する団体)の代表。団体HPはコチラ https://teamwada.net

2018/03/17

ジバナンダム

ジバナンダムはシカゴ大学の心臓外科のボスで、移植などの心不全治療を主にやっている背の高い人です。最近一緒に手術する機会が増えてきました。先日心移植をする時にレシピエントの心臓摘出をテイ兄貴(若手アテンディング)とやっていると途中で、「ちょちょちょちょ、何やってんの、俺のやり方でやれよ、ちょっと待ってろ」と怒られました。ジバナンダムが移植する時は大体ドナーの心臓をとりにいってたので、実際ほとんど見たことがなく、「だって一度もあなたの見たことないもん」と嘘ついて拗ねるとじゃあ今度見せてやるからと言われました。

その2日後、心移植があったので意気揚々とジバナンダムと手術に入ったのですが、LVAD後の癒着ガチガチの人で、癒着を剥離し終えた後はなんだかよくわからない状態になっておりました。その後、こうやって取るんだぜ、と教えてくれましたが、いや、普通の心臓の時見せてよ、と思いました。心臓摘出後は肘が痛いからという理由で、ガチガチのハートメート2取り出し係を命じられ黙々とその仕事に徹しました。

各吻合が終わると、ジバナンダムはなんとなく止血確認しポンプを降りてさっさといなくなりました。止血作業にうつった途端、大量の出血がPA吻合部の真裏から。いや、これ全然アンコントローラブルだし、見えないわ〜、裏っ返したらなんとか見えるけど、針かけられないわ〜、と思っていました。再ポンプの相談をジバナンダムにしたところ、再登場し心臓ひっくり返してPAの真裏に一針かけて止めてました。すげーし、これやっていいんだ、と思いました。

 

 

北原 大翔先生への質問はこちらまで↓

メール:kitaharahiroto@yahoo.com 電話:312-838-0406

若手心臓外科医の会 (http://jaycs.jp)でも留学ブログを担当しています。

他の国の留学情報も満載です。

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