ジバナンダムはシカゴ大学の心臓外科のボスで、移植などの心不全治療を主にやっている背の高い人です。最近一緒に手術する機会が増えてきました。先日心移植をする時にレシピエントの心臓摘出をテイ兄貴(若手アテンディング)とやっていると途中で、「ちょちょちょちょ、何やってんの、俺のやり方でやれよ、ちょっと待ってろ」と怒られました。ジバナンダムが移植する時は大体ドナーの心臓をとりにいってたので、実際ほとんど見たことがなく、「だって一度もあなたの見たことないもん」と嘘ついて拗ねるとじゃあ今度見せてやるからと言われました。
その2日後、心移植があったので意気揚々とジバナンダムと手術に入ったのですが、LVAD後の癒着ガチガチの人で、癒着を剥離し終えた後はなんだかよくわからない状態になっておりました。その後、こうやって取るんだぜ、と教えてくれましたが、いや、普通の心臓の時見せてよ、と思いました。心臓摘出後は肘が痛いからという理由で、ガチガチのハートメート2取り出し係を命じられ黙々とその仕事に徹しました。
各吻合が終わると、ジバナンダムはなんとなく止血確認しポンプを降りてさっさといなくなりました。止血作業にうつった途端、大量の出血がPA吻合部の真裏から。いや、これ全然アンコントローラブルだし、見えないわ〜、裏っ返したらなんとか見えるけど、針かけられないわ〜、と思っていました。再ポンプの相談をジバナンダムにしたところ、再登場し心臓ひっくり返してPAの真裏に一針かけて止めてました。すげーし、これやっていいんだ、と思いました。
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