皆様お久しぶりです。またまたしばらく間が空いてしまいました。
エモリーにファカルティーとして来て1年ちょい経ちました。1年経ってみて、結構エモリー気に入っています。最初はアトランタというロケーションがイマイチ気が進まなかったのですが、アトランタもじわじわと好きになって来たし、何よりもメインの職場としてエモリーを選んで良かったと思っています。色々とたくさん理由はあるのですが、ここの寛容な雰囲気が自分にとても合っていると思っています。日本との仕事や行き来にも、国境なき医師団でやっていることも、偉い上層部の先生たちも時にはシフトも代わってくれたりサポートしてくれています。
EMSの仕事も今楽しくやっています。特に最近、Metro Atlantaという救急搬送民間機関のMedical Director業がどんどん面白くなって来ています。結構大きな民間機関で(EMTやパラメディックが600人以上、年間搬送数10万件以上でつい最近ももう一つの郡に事業拡大契約したので更に多くなる)、先進的な考え方のCEOなので自由度も高く、あれをやってみよう、これをやってみよう、とチャレンジ精神とフレキシビリティと予算があり、プロトコルや薬剤、機材を変えたりするのもフットワークが軽くて良いです。公的機関では何かを変えるとなると沢山の会議や法的なハードルがあり、かなりの時間と労力がかかりますが、私の組織はそこらへんかなりハードルが低くて良いです。今月は全体のプロトコルをレビューしていますが、何か変えた方が良いものがあれば、それを組織のキーパーソン達数人に持ちかけて見て、自分たちの組織内で承認されればゴーです。プロトコルを作って、medic達のトレーニングをして、数ヶ月後には実施です。最近では、STEMI症例に搬送中にremote ischemia preconditioningをやってみることになったり(救急隊がプレホスピタルでSTEMI疑い患者さんに血圧カフで駆血したり外したりを繰り返すことで心臓が「プレコンディショニング」されSTEMIの予後が良くなる)、脳梗塞のLVO(Large Vessel Occlusion) をプレホスピタルで見分ける→そういう時には搬送先に普通の病院ではなくthrombectomyが出来るcomprehensive stroke centerを選択するといったことに取り掛かっています。Stroke severity score scaleは色んな種類があり色々議論されていますが最近日本からもJUST(Japan Urgent Stroke Triage) Scoreというのが出て(現在アメリカではノーマーク)、これウチで使えないか可能性を探ろうかと思っています。Community paramedicne(救急隊が訪問診療っぽいことをする)もやっていますがその辺もどんどん事業拡大中です。そんなこんなでメトロアトランタでは色んなスタディやペーパーのポテンシャルはあるのですが現在の私はそこまで時間と労力を費やせない状況(リサーチ苦手なのもあり、人より時間と労力がかかる…)です。でも本当はもっと臨床を減らしてこちらに入り浸りたい気分です。
エモリー救急部も全体として新しいクールなことをどんどん始めよう、的な意識があり、私のプレホスピタルのボスもInternational EMS Fellowshipを始めたいという構想があるのですが、アメリカのプレホスピタル分野に興味のある若手医師はおりますでしょうか。あ、若手じゃなくても全然大丈夫です。私が責任者を請け負って今fundingを探し中なのですが、もしパイロットで薄給でも、最悪無給でもやってみたい!というチャレンジャーなEMS好きな医師が居たら御連絡頂ければ幸いです。臨床は出来ないですがそれ以外は既にある米国レジデンシー卒業者用のACGME accreditedのEMSフェローシップ(1年間)と並行したカリキュラムを考えています。でもまだ始まっていないので期間など色々フレキシブルです。もちろんfundingが見つかって予算が組めたらそれをフェローの待遇に当てる予定です。でもまだ現在その財源を探し中の状況です。本当は全世界のEMSに興味ある医師を対象にする構想なのですがもし日本でもこの文章を読んでくれているEMS大好きな医師で興味がある人がいればと思い、ここに書いてみました。
ではではまた!
中嶋優子先生。ブログ拝見しました。とても夢のある話ですね! ぜひ頑張ってください。南部同盟として応援しております!
桑原先生 コメント&応援有難うございます!先ずは予算探し頑張ります…