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鈴木麻也

ブログについて

ニューヨークは、アメリカのみならず南米、アフリカ、アジアなど様々な地域から人が集まる場所。医学はもちろん、文化、国際事情、医療システムなど、日本にいた時には全く知らなかった現実を目の当たりにしています。この経験を通して考えたことを発信していきたいと思います。

鈴木麻也

函館生まれ横浜育ちのどさんこ、はまっこ。日本医科大学ボート部卒業後、広い世界に憧れ留学を目指す。2008年に医学部も卒業し、同大学病院での初期研修後、2010年からニューヨークのハーレム病院で小児科研修中。2013年からメモリアルスローンケタリングがんセンターで小児がんフェローシップを開始予定。

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交換留学でアメリカに来る日本の学生さん会うと、やる気や希望にあふれた姿に、元気をもらえます。初めてアメリカの医学教育や医療を見て、ここで働きたいと夢見た学生時代の気持ちを思い出し、たくさんの方々に支えてもらいながら、今こうやってレジデンシーができることに感謝だなぁとしみじみ。帰国子女ではなくても、誰でもやる気と2〜3年先を見据えた計画があれば、留学は実現します!ということで、今回は留学準備の第一歩、USMLE step1についてです。

アメリカでレジデンシーをするにはUSMLE step1(主に基礎医学)、USMLE step2CK(主に臨床医学)、USMLE step2CS (模擬患者を相手にした医療面接、診察、診断)の3つの試験に合格する必要があります。その一つ目USMLE step1が一番の難関です。その理由は、まず医学英語がわからないこと。勉強を始めた時は、一問の問題を解くのに辞書を片手に何十分もかかってしまいます。そして、もう一つの理由は高得点を取る必要があることです。レジデンシーの応募の際にはUSMLE step1の点数が重要で、特に外国人は2 digit scoreで最低90以上が求められ、最近は最高点の99を取る人も大勢いるようです。この試験を乗り越えれば、その先の試験は要領がわかって少しラクになります。私が試験を受けたのは2007年なので、事情も違うかもしれないし、大学や病院によって取り組み方も変わってくると思うので、一つの例としてタイムラインを参考にしてもらえればと思います。

1. KAPLANのUSMLE受験ビデオ講座:医学部4年生10月〜5年生4月

各科目の英語でのビデオ講座。単語を調べ、聞き取れなかった説明を繰り返し聞き、1時間の授業を見るのにかかる時間は2時間半。気の遠〜くなるような、テレビとお友達状態。でも続けていくうちに医学英単語を覚え、説明をスムーズに理解できるようになり、基礎医学と臨床医学を繋げて考えることができるようになっていきました。KAPLAN講座は、自分で英語の教科書を読んで勉強できれば、必ずしも受ける必要は無いと思いますが、何から手をつければ良いかわからない最初の段階では、一通りを学べるビデオ講座を受講すると、漏れは無いと思います。

2. FIRST AID step1、KAPLAN Q book:医学部5年生4月〜9月

ビデオ講座の後は、FIRST AID step1を暗記しながら、科目ごとにKAPLAN Q bookを解き始めました。FIRST AID step1はまさにバイブルです。レジデンシーをしている今でも抗生剤や生化学など、見返すことが多々あります。小さな文字で書かれている部分も試験に出た事がある内容なので、一言も漏らさずチェックし、高校以来の暗記マーカーを使いながら暗記しました。知識を詰め込むのと応用するのは全く異なり、覚えただけでは問題は解けません。最初は時間を気にせず、しっかり問題を理解して解答するようにしました。出題の意図を理解する勘を養い、足りない知識は FIRST AIDに書き込んでいきました。

この先のUSMLE合宿生活は、また次回。

4件のコメント

  1. First Aidは本当に使い込みました。書き込みやマーカーでほとんど原型を留めていません。思い入れが深いので今でもとってあります。まさに戦友でした。懐かしいです。

    • 浅井先生:私もFirst Aidを見るたびに、初心に帰ります。医学英語やアメリカ式医療知識の、まさに原点ですね。

  2. 2011年より USMLE procedures for reporting scores が大幅に変更されており、レジデンシープログラム及びマッチングは 2-digit score を使用していません。 

    Changes to USMLE procedures for reporting scores 
    http://www.usmle.org/announcements/default.aspx
    http://www.ecfmg.org/news/2011/09/09/relationship-between-usmle%E2%80%99s-2-digit-and-3-digit-score-scales/

    応募者の点数を比べる場合は全て 3-digit score が使用されています。3-digit score に対応する 2-digit score も年により近年はかなり変動します。例えば、2、3年前では 244/99 でしたが、今年は247/87 です。2-digit score はもはや合否を判定する以外意味を成さないものとなっています。

    >特に外国人は2 digit scoreで最低90以上が求められ、最近は最高点の99を取る人も大勢いるようです。

    90,99と言われても具体的に 3-digit で何点取ればいいのか、どれくらいのレベルなのか、これからUSMLEを受けようとする人には伝わらないと思います。外国人が 3-digit で何点取るべきなのか、提示してくださるとわかりやすいのではないかと思います。

    • コメントありがとうございます。ご指摘の通り、現在は3 digit scoreを用いて評価するのが一般的のようですね。私自身は3 digitを目安にしていなかったので、具体的な数値を提示することはできませんが、NRMPのサイト
      http://www.nrmp.org/data/index.html
      にあるCharting Outcomes in The Match, 2011には、各専門科レジデンシーにマッチしたUS SeniorsとIndependent applicantsのUSMLE step1の平均スコアが載っています。Independent applicantsの平均スコアの方がUS Seniorsよりも低いようですが、これはIndependent applicantsの中にUS Seniors以外の全てのapplicantsが含まれているためだと思います。(例えばUS citizenでアメリカ以外の医学部を卒業した人など)日本の医学部を卒業した日本人(International Medical Graduates)は少なくともUS Seniorsより良いスコアを取る必要があると思います。有用な情報提供ありがとうございました!また何かありましたら教えてください。

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