エクモスペシャリストのパム 前回までのあらすじ
~彼女はヒロからの連絡を待っているのよ、パムのその言葉を信じてペイジを送ったが返事は来ず、月日だけが流れていた~
アメリカではLINEが一般的ではなく、軽い連絡はショートメール(テキストと言ってますね、みんな)でやることが多いです。写真は上司(太田先生)とのテキストのやり取り
Preppingは消毒初めてるよ、on my wayは今向かってるとこ、的な感じ。会話はそれだけ。午後3時で電池残数22%。決して忙しいわけではないので単純に携帯の限界が近い、あるいは携帯で漫画読みすぎているせい。
ペイジャー(院内で使用するポケベル)機能も全てテキストとして携帯に送られるようにしているのですが、音が小さいと寝てる時とかに気づかないので、大きめ長めの変わった着信音にしてます。なので、手術中とかずっと鳴ってたりすると、またヒロの携帯なってるよー、ヘーイ、と謎のからかわれかたをします。基本的に病院からのテキストにいい知らせはありません、緊急手術や状態悪化、処置が必要、などとりあえず病院きてよ的なやつです。
いつもと変わらず手術中に鳴り響くテキストの着信音を無視し続け、手術が終わった後に携帯を眺めるとなにやら知らない番号からのテキストが
「ハイ、ヒロ。
この前はペイジしてくれてありがとう。
今週仕事終わったあとにでもどっかで会いましょうか」
まさか!!透析レジデントの子だ。連絡がきたんだ。OMG、オーマイゴッドだ。パムの言ってたこと嘘じゃなかったんだ。やったー!!!!
三振をすることは怖いが、バットを振らないともちろんヒットを打つことなんてできない。そして、人生においては、三振なんてものは存在しないのかもしれない。コンフォタブルゾーンからの逸脱を教えてくれた、岸和田徳洲会病院の若林先生に感謝。
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メール:kitaharahiroto@yahoo.com
若手心臓外科医の会 (http://jaycs.jp)で留学ブログを担当。
m3.com(https://www.m3.com)、MediGate(https://www.medi-gate.jp)
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