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松田直子

ブログについて

自分自身と仕事のために読んでいる子育て本の感想をOTの観点から書いてみたいと思っています。そのほか、子供の発達に役立つ情報も、載せていけたらと思っています。

松田直子

オハイオ州立大学作業療法士学科を卒業、ニューヨーク大学(NYU)院同学科を卒業、現在ワシントンDC近郊在住。その間、幼稚園から小学校、感覚統合療法を専門としたプライベートクリニックで働く。今は土曜日に日本語幼稚園で教師をしながら、OTの理論と自分自身とのバランスを見極めながら3人の子育てに奮闘中。

はじめまして。このたびあめいろぐに参加させていただきました、作業療法士の松田直子と申します。主に2歳から10歳くらいのお子さんの療法を学校やセンソリークリニック(感覚統合という理論を使ったセラピー)で行ってきました。どうぞよろしくお願いします。

OTをしていなかったり、OTの事を考えていなかったり、OTに関わっていなかったりすると、すぐに日本に帰りたくなるほどOTが好きなのですが、ここ9年間は子育て中心の毎日を送っております。子育てそのものがOTと深く関わっているので(子供の発達や、家庭内で子育てを経験すること、など)良いのかもしれませんが、仕事をしていないと落ち着かない性分のようで、今は日本語幼稚園で教師としてお子さんと接しながら、やっぱりOTの事ばかりを考えています。保護者の方との交流もとても勉強になります。

さて、先週の土曜日から3人の子供達が初めて親なしでアメリカのおじいちゃん、おばあちゃんの家に遊びに行っています。最初の3日間はとても寂しかったのですが、慣れてしまえば、、、、、、なんと楽なんでしょう~~~!家が静か、散らからない、怒ることもない、寝るときに体がへとへとじゃない、旦那の存在が邪魔じゃない(笑)、、、、もうびっくりです。毎日やることはたくさんあるので、怠けているわけではないのですが、自分のペースで出来るということはこんなにストレスがないんのだと実感しました。おかげで、このように文章を書く時間が出来ています。

と同時に、子育ての大変さを客観的に感じました。小さい子供がいると本当に「毎日をこなす」のが精一杯です。OTの理論で、人間は「仕事(Occupation)」「日常生活アクティビティ(Activity of Daily Living、ADL)」「遊び(Leisure)」のバランスが崩れたり、出来なくなると病気・障害になりうると大学のとき学んだ記憶があるのですが、子育て中は最後の「遊び」が極端に少なくなります。子供と一緒にする「遊び」が自分自身の「遊び」になるとは限りません。外食が好きでも、小さい子と一緒に行くレストランは限られてしまいますし、回りに迷惑をかけないように気を遣ったり、食事を待っている間いろいろごまかしたり、、、食事の準備をする「仕事」を軽減してはくれるのですが、決して「遊び」にはならないのです。(少なくともうちの場合)他にも、私の場合、それまでの「仕事」はOTがほとんどを占めていたのに、急に「子供の世話をする」「家事をする」「しつけをする」「教育をする」などなどになりました。もちろん、それを承知で母になったのですが、周りに親戚がいない、主人の帰りが子供が寝る時間の核家族の負担は想像以上でした。

今回の子供のいない2週間は「仕事」、「ADL」、「遊び」のバランスがとてもよく取れていたように思えます。OTのワークショップを取ったり、体を動かしにジムに行ったり、主人と映画に行ったり、、、義理両親に心から感謝です。が、全く人間とは勝手なもので、子供たちがいなくて、少々物足りなかったのも事実です。(笑)帰ってきたらきっと、おじいちゃん、おばあちゃんの家でおりこうしていた子供達から3倍のリベンジがやってくるので、覚悟はしておこうと思います。また声を荒げる毎日の始まりです。

土曜日に2週間ぶりに会う子供たち、何を作っておこうか、今から楽しみです。

5件のコメント

  1. よろしくお願いします!ゆっくり外食できないのはなかなか辛いですよね。おっしゃる通り、子育てにおいては”子供と一緒にする「遊び」”を”自分自身の「遊び」”とすることが鍵のような気がしています。遊んでばかりで家事をしないと妻に怒られそうですが…

    • 反田先生、
      コメントありがとうございます。うちの主人も家事は苦手ですが、子供と遊ぶのが大好きなので、週末、子供たちをつれて2-3時間遊びに行ってくれます。とっても助かっています。得意、不得意がありますものね。子育てはチームワークだなと感じます。

  2. あめいろぐへようこそ! 

    さっそくですが、小児消化器外来でとってもたくさん診る患者さんの1つが乳児のGERD(逆流性胃食道炎)。といってもほんとうにGERDなのはごくごく一部で、ほとんどが ”親”の診立てる症状での”横にして寝ていると苦しそうに唸ってすぐ起きる。だから胸焼けじゃないか?”というものです。われわれの日常の仕事はそれを本当の病気ではないことを確認して、あとは子供が成長するまで時間稼ぎしていると、次第に消失するようなことが多いです。実際、健常な子供がGERDであることはほとんどありませんが、多くの場合、胃酸を抑える薬を一般小児科で処方されていたりします。ベテランの消化器の指導医は ”それは乳児(1-6ヶ月児)のStation(体位)とSensoryの統合の問題だ。落ち着いて寝れるようになるのに時間がかかっているだけだ。”と言って教えてくれました。理屈的にはわかるのですが、実際のOTの現場から、具体的にどういった分析をして、介入をしているか教えて下さいませんか? (お子さんたちの帰ってくる前に、、、笑)

    • 浅井先生、
      こんにちは、どうぞよろしくお願いします。ご質問ありがとうございます。
      結構気合を入れて書いた返事がなぜか消えてしまいました、、、涙
      すいませんが、簡単に書かせていただきます。
      そのような場合、OTの介入は:

      1)体位(Positioning):身体知覚が未熟のため、Swaddlingをして横にする。仰向けが好きでなさそうな場合は、Sidelyingも試してみる(背中に丸めたタオルを置く)、GERDがあると仮定する場合は、マットレスの下に枕を置いて、少し体を斜めにする。

      2)外界からの感覚(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)を考慮:例:部屋は明るすぎる?暗すぎる?テレビがついている?聞きなれない音がする?(コンピューターの音など)洋服にタグがついている?おしゃぶりを試す。などなどですが、これらは本当にケースバイケースです。大事なのは、そのお子さんにとって、不快と感じる感覚は千差万別なので、よく観察することが大事になります。

      ただし、これらは、感覚統合に障害をもつということを仮定した場合のOTの介入になります。生まれたばかりの新生児、乳児も感覚統合はまだ未発達で、感覚そのものに異常はありませんが、自分の感覚システムを外界からの刺激にAdjustするまで、時間がかかります。つまり、健常な赤ちゃんは、時間をかけて、自分が寝続けるために不必要な外界からの刺激を無視する能力(Sensory Filtering)を発達させます。なので、あまり回りの大人が、よく眠れるようにと、とにかく静かにしたりなど、環境と整えすぎると、この能力を発達させる機会が少なくなり、発達が遅れてしまったり、益々過敏になったりすることも多々あります。(静かなところでないと眠れないなど)

      健常なお子さんの場合、OTはまず、Postioningをお勧めして、眠っている間、特に敏感に反応する刺激があるかどうかを観察してみて、それが一貫しているようでしたら、可能であれば取り除く、または慣れさせる環境を起きている時に作ることをお勧めします。

      参考になれば幸いです。また今度、感覚統合について書いてみたいと思います。子供達、帰って来てしまったので、いつになることやら、、、、笑

  3. 丁寧な説明有り難うございました。 
    2)についてはあまり考えていませんでした。具体的な例でよくわかりました!

    確かに、二人目の子供がどんな状況でもスヤスヤと寝れるのをみていると、一人目の時に静かにしすぎていたのがよくわかりました。たしかに、GERDだといって受診してくる親さんの多くが初めての子供であることが多いですね。感覚統合について、楽しみにしていますね。

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