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・自宅から病院までの距離が遠い
・障害があり移動に制限がある
・車がない
・付き添ってくれる家族や友人がいない
・仕事がある
・育児や介護で家を離れられない
etc…
オンライン診療は、そういった不利な立場に置かれているかたにも診療の機会を広げることができています。また、外来の混雑軽減や診療可能な患者数の増加にも確実につながっており、昨今の米国の外来診療では当たり前にある選択肢として定着しています。
クリニックの予約を取る
退院時に予約がされたり、他の外来から紹介されたりします。その際に、遠隔診療(オンライン診療)が適切であるかどうかをクリニックが判断します。その判断をする際には、外来アシスタント、外来看護師、医師のあいだでコミュニケーションがあります。
チェックインする
外来アシスタントが、その日の外来患者一覧からオンライン診療の患者さんにコンタクトして、Zoomに接続できるようチェックインします。
Zoomを使って診察する
診察予約時間になったら、患者はMyChartと呼ばれるオンラインプラットフォーム(ウェブサイトまたはアプリ)から、医師はその患者さんの電子カルテから、Zoomにアクセスします。この3年間で、みなすっかりZoomでのオンラインミーティングに慣れましたので、ほとんどの場合スムーズに進みます。
米国の予約外来なので、30-45分程度の時間が確保されています。
レジデントやフェローが診療する場合は、アテンディング(指導医)も診察する必要があるので、指導医にプレゼンして方針を確認して、最後に患者さんと指導医とで全員一緒に話し合ってまとめます。
必要に応じて、検査をオーダーしたり、薬を電子処方箋で患者さんのかかりつけ薬局に処方します。
診療後のフォローアップ
必要に応じて、次回の外来を予約する。
患者さんは、新しく処方された薬剤を受け取りに行ったり、検査を受けにいく必要があります。
デバイスやシステムの操作に慣れる必要がある
ときに高齢の患者さんでは、Zoomのログインや画面の操作・音量調整などが上手くできず、電話でのやり取りに急遽変えなければならなかったこともあります。患者さん自身での操作が心もとない場合、家族が手助けできる環境だと上手くいきます。
身体診察が充分にできない
体温、血圧、脈拍、呼吸数などのいわゆるバイタルサインと呼ばれる非常に基本的かつ重要な診察ができません(患者さんが介護施設にいて看護師さんが付き添う場合は可能ですが)。また、もちろん聴診や触診もできません。
ただ、オンライン診療のビデオ画面を通してでも、患者さんの見た目(元気そうか辛そうかなど)、呼吸のしかた、皮膚のようすなど、一部の診察はでき、医師の判断にとても役立ちます。
処置や検査がその場でできない
外来や最寄りの民間検査ステーションに行かないと、血液検査や画像検査はできませんので、それが手間や診断の遅れにつながることもあります。
血液検査や画像検査が必要でも、(例えば定期検査など)それほど急を要さない場合は、オンライン診療のあと、患者さんの都合のいいタイミングで検査だけを受けにきてもらうこともよくあります。そうすると、病院での待ち時間が短縮できます。
創傷を切ったり縫ったり、はたまた注射をしたり、といったことが予測される場合は、対面診療のほうが好都合です。
こういった理由から、急を要する症状や疾患、何らかの処置(創傷処置、抜糸、注射、点滴など)が予想されるときは、対面診療に軍配が上がるでしょう。
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