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多くの場合、小児がんの治療はmulti-disciplinary approachとなり、手術療法、放射線療法、化学療法、免疫療法に加え、支持療法と精神心理学的サポートが必要になります。すべてを用いなければならない小児がんもあれば、一部の治療法だけで治癒が目指せるタイプもあります。小児がん専門医の仕事のひとつは、患者さんが対象となる臨床試験が現在行われているかどうかを、確認することです。国際的に治療成績のエビデンスが確立していて、現時点でその患者さんにベストと考えられる治療法(プロトコール)を「標準治療」と呼び、その標準治療よりも、良い成績または同等の成績でも毒性を軽減することを目的に計画された、新規治療法(戦略)を試すことを臨床試験(主にフェーズ3、ときにフェーズ2)といいます。臨床試験に参加することが必ずしも患者さんの利益になるとは限りませんが、目の前の患者さんの治療と同時に、次世代の患者さんの治療にも責任がある小児がん専門医には、臨床試験への患者さんの参加を推進することが、努力目標として求められます。臨床試験というものは、日進月歩の医学の世界において、現実的な期間内に行われタイムリーに結果が報告されなくてならないものですが、発生率が低い小児がんにおいて単一施設による臨床試験は、とても登録症例数が足りず成立しません。必然的に複数の施設による共同臨床研究が、小児がんでの臨床研究の中心となります。しかし白血病とリンパ腫を除く小児固形腫瘍の場合、日本国内ではまだまだ多施設共同試験の仕組みが整っておらず、患者さんが参加できる臨床研究の選択肢が欧米に比べて少なく、標準治療を受けることが多くなります。その世界標準治療ですら、ときに受けるのが困難なケースが増えています。

(続く)

佐々木潤

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斎藤浩輝
2011/11/13

始めに。

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反田篤志
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