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僕はもともと銀行員でニューヨーク駐在員だった変り種の臨床医としてマンハッタンで在米邦人の健康維持のお手伝いをさせていただいています。ご挨拶もかねてここにいたった経緯を紹介したいと思います。

海外志向、マーケット志向だったのを入社以来会社によく汲み取ってもらい、結婚と同時に駐在員としてニューヨークへ派遣されました。自ら求めて意気揚々と始めた駐在員でしたが、何しろ初めての海外、最初から苦労の連続となりました。

大丈夫とタカをくくっていた自分の英語能力のなさ!!レストランのオーダーで食べたいものがなかなか食べれず、レンタル家具は待てど暮らせど届かず、ソーシャルセキュリティー取得、車の免許、銀行口座開設などなど、最低限の生活インフラが整うまでの道のりは永遠に続くように思えました。日常のコミュニケーション力のなさに意気消沈してしまいました。しかし、なにより苦労したのは新婚の奥さんが病気になったときでした。僕が会社に行っている間、郊外のアパートで熱にうなされ、「声が出ない、体が震える」と訴える妻。「医者にいかなきゃ」と思ったとたんに、どこへ??どうやって??。英語で医師と話すなんて、と突然えもいわれぬ恐怖感に駆られ、かといって日本語を話すドクターのいるクリニックの情報もなく、途方にくれました。

何とか情報誌をたよりに診てもらった先生はまるで「地獄のなかの仏様」。症状だけでなく新しい生活に悪戦苦闘する日々についてどう感じているか、シンパシーたっぷりに話をしっかり聞いてもらうだけで二人とも心が安らかになり病も吹っ飛んでしまったのを覚えています。同時に診療所だけどオフィスのような部屋で診てくれたアメリカンドクターが頼もしくそして何故かとてもプロフェッショナルに、かっこよく、感じてしまいました。先生はそれほど意識していなかったかもしれませんが、僕らには本当に輝いて見えたのです。

月日は過ぎ仕事も軌道に乗り、英会話もスキルが増したというよりはこんなもんかと開き直れたことから気が楽になり、マンハッタンの生活を楽しめるようになりました。心に余裕が出てくるといろいろなことが見えてきました。移民の国アメリカに住む人々のあくなき向上心というか職業観というか、その気になればチャレンジを受け入れてくれる雰囲気に満ち、そしてその道筋もあることなど。当時日本はバブルがはじけ閉塞感が漂い始める中、この国にはまだその後の9・11やリーマンショックの気配すらなく、世界に冠たる唯一の大国と人々が信じるなかで輝かしい金融マーケットやITビジネスでの成功物語が溢れていました。学生時代から漠然と持ち続けていた海外留学してみたいという願望とあいまり、この国でしばらくとどまって技術や知識を身につけたいという思いがにわかに沸いてきました。

周りの何人かの同僚がそうしたように、普通の流れで言えば、それまでの経験を生かして金融のスキル、知識を深めるためにMBAなどを目指すべきだったのでしょう。しかしどうせやるなら思いきって今までとまったく違うことに挑戦したい、と浅はかにも(?)当時30台、子供を持つ前で最後のチャンスと考えてしまいました。そこで浮かんだのがドクターへの道。あの心細かったころに救いを与えてくれた存在、身につけた知識と経験で人を救うことの出来るプロとして残りの人生勝負してみたい!ところが言うは易し行なうは難し。当然ながら妻のみならず双方の両親は大反対。何とか3、4年をかけて訴え続けついに周りが根負けし、12年勤めた会社を円満退職してここアメリカで学校に戻ることにあいなりました。

中釜知則

僕はもともと銀行員でニューヨーク駐在員だった変り種の臨床医としてマンハッタンで在米邦人の健康維持のお手伝いをさせていただいています。ご挨拶もかねてここにいたった経緯を紹介したいと思います。 海外志向、マーケット志向だった […] » 続きを読む

津田武
2012/01/09

はじめに

「6年で研修は終わるから」と言って、新婚半年の妻を連れてフィラデルフィアにやって来たのが1989年の5月。最初の一年間は、野口医学研究所のサポートでフィラデルフィア小児病院(CHOP)の浅倉教授の研究室で研究をしながら、 […] » 続きを読む

反田篤志

思った以上に反響が大きかったので、前回のエントリーに対して個人的な見解の補足を少し… 端的に言うと、「留学」と「妊娠出産」は別の事柄なので、それを連結させて「留学中に妊娠出産がうんぬん…」と言う意見には賛成できません。こ […] » 続きを読む

反田篤志

先日、日本で働いていて、現在大学院に留学中の友人がニューヨークに遊びに来ました。その旦那さんも、ほど近い場所に一緒に留学中。そして、なんと最近妊娠発覚したとのこと。「こりゃめでたい!」とこっちは勝手に祝福ムード。しかし話 […] » 続きを読む

宮田(野城)加菜

あめいろぐ、少しご無沙汰しておりました。 皆さま、お元気にお過ごしでしょうか? 暖冬と言われた今年のニューヨークもついに真冬に突中し、私の通勤時刻朝6時の気温は-5~0℃ほどです。雪こそ降っていないものの、吐く息の白さが […] » 続きを読む

浅井章博
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