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(この記事は、『アメリカでお医者さんにかかるときの本』の内容を一部抜粋・修正して掲載しています。書籍の概要は保健同人社Amazonでご確認ください。)

子どもの急な発熱、ひきつけ、けがやぜんそくの発作などなど、何か急なことが起こったとき、やはり頼れるのは病院の救急(Emergency Room:ER)です。ひどい切り傷、頭や腹部の外傷、骨折などが起こったときは、ほぼ100%かかりつけの小児科医を素通りして救急室へ行くことになります。あらかじめどこに病院があるかどうか調べておけば、アメリカにはどの病院にも24時間体制の救急室がありますので(精神科病院は除く)、あわてることはありません。

ただし、子どもがぜんそくやてんかんなどの病気をもっている場合は、事前にかかりつけの小児科医がどこの病院をよく利用しているか聞いておいたほうがよいでしょう。通常そういう病院なら、入院してもかかりつけの小児科医が引き続き入院中も診療してくれるからです。ただし、近年はホスピタリストと呼ばれる病棟専門小児科医が、地域の小児科医の入院患者を担当することも多くなったので、かならずしもかかりつけ医が入院中も診てくれるとは限りません。

どこの病院にも小児科病棟があるとは限りません。ですから、小児科病棟のない病院の救急室で入院が決定したときは、そこから小児科病棟のある病院へ送られて入院することになります。これはかなりの時間のロスになりますし、搬送費用のせいで請求書の金額もぐんとアップしますから気をつけましょう。もし選択の余地があるなら、小児専門病院の救急室へ行かれると、特別に訓練された救急医がスタンバイしていますからより安心で間違いがありません。

さて、自家用車で子どもを救急室まで連れて行かず、あえて911(救急車)を呼んでいただきたい場合の具体例をいくつかあげておきます。ここにあげられていない状況でも911を呼んだほうがよい場合はたくさんありますので、ご注意ください。

①呼吸困難を起こしていたり、顔や口の周りが青く(とくに黒っぽく)なっていたりする場合。

②交通事故でひどいけがを負った場合、子どもの身長の2倍以上の高さから転落した場合、プールでおぼれた場合、けがによって意識が薄れている場合。

③ひきつけやてんかん発作が5分以上続いている場合。

④誤飲して意識が薄れている、または呼吸がゆっくりになっている場合。

⑤素人の目から見て、これはなんとかしないとたいへんなことになる、何かしないと死んでしまうのではないか、と感じた場合。

とはいえ、いったいどうしたらいいのかプロの判断を仰ぎたいときがあります。救急に行くべきか、それとも明日の朝まで待てるのか、小児科のかかりつけ医に電話で聞くのも一案です。昼間なら直接クリニックに電話をかけるとよいでしょう。夜間でも、同じ電話番号にかけると担当の方が当直の小児科医(小児科医はグループ内で順番で電話当直をしています)に連絡を取ってくれますから、事情を直接話すとよいでしょう。または911を実際に呼んでパラメディック(救急救命士)にアドバイスを求めてもよいと思います。救急車が到着した後、血圧や酸素の値などのバイタルサインは必ずとってもらえますので、その時点で低酸素であったり血圧に異常があればそのまま救急室へ搬送してもらえます。

(マーティン もと子)

 

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より詳細な内容を知りたい場合は、アメリカで活躍する20人の医療従事者が執筆した『アメリカでお医者さんにかかるときの本』をご参照ください。保健同人社AmazonKindleアメリカ紀伊国屋、など多くの書店およびオンラインショップで手に入れることができます。

反田篤志
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