水痘ワクチン
Varicella (Chickenpox) Vaccine

水痘(すいとう)は「水疱瘡(みずぼうそう)」とも呼ばれる、発疹が主な症状のウイルス感染症です。赤い発疹が体中に現れ、徐々に水ぶくれとなり、自然につぶれてかさぶた状になって治ります。脳炎や肺炎、皮膚の重い細菌感染症など多くの合併症が起こることが知られています。細菌感染を合併すると、治癒後にも跡が残ることがあります。

新生児や化学療法などにより免疫力が低下している方がこのウイルスに感染すると、重症になることが知られており、有効な抗ウイルス薬があるにもかかわらず、急速に重症化し命を落とすことがあります。対象の子供たち全員が接種することで、このウイルスから自分の子供だけでなく、社会全体も守るという考え方がとくに重要な病気といえます。

私は小児がんが専門なのですが、担当している化学療法中の小児がん患者自身、さらにはその家族が、とても感染力の強い水痘の疑いがある患者に接触したというだけで、とても緊張します。疑いが強ければ、免疫が低下していて過去のワクチン接種の効果が期待できない子供たちに、抗ウイルス薬を予防投与することもあります。

水痘ワクチンの予防効果は完全ではなく、予防接種を受けていても水痘にかかることはありますが、ワクチン未接種の場合より、症状がとても軽く、治るまでの期間も短くなります。

日本では接種率がとても低いワクチンのひとつですが、アメリカでは健康な子供全員が接種対象です。MMR(麻疹・ムンプス・風疹ワクチン)と同時に12-15ヶ月と4-6歳の2回接種するのが標準的なスケジュールです。MMRVといってMMRワクチンと一緒になった四種混合ワクチンを用いることもあります。

その他、詳細はこちらのリンク先を参照してください。アメリカの感染症とワクチンの公的機関であるCDCのサイトが公表している日本語の案内です。

http://www.immunize.org/vis/jp_var98.pdf

文責:寺島 慶太

最終アップデート:2014年1月