帯状疱疹ワクチン
Shingles (Varicella Zoster) Vaccine

【帯状疱疹とは?】

帯状疱疹って聞いたことがありますか?激しい痛みを伴った小さな水ぶくれを伴う皮疹が、神経に沿って体の片側に帯状にできます。(写真:http://www.dermatol.or.jp/qa/qa5/img/q11_01.jpg

これは、水ぼうそう(水痘)を起こすのと同じウイルスが原因でおこります。このウイルスに初めて感染すると水ぼうそうをおこしますが、水ぼうそうが治っても、ウイルス自体は体の中からなくならず、神経節という部分にずっと潜んでいます。そして、ストレス、高齢(とくに50歳以降)、病気などによる免疫力低下などがきっかけとなってウイルスが再度活性化すると、帯状疱疹をおこします。水ぼうそうにかかった人のうち、10人に1-2人程度が帯状疱疹にかかるとされています。

【なぜワクチン?】

帯状疱疹が一番おこりやすいのは、肋骨に沿った部分や腰の片側ですが、顔面の神経に沿って起ると場所によっては失明の危険が生じたり、顔面神経麻痺をおこしたりすることもあります。また、免疫力が弱っている人の場合は、全身に広がって重症化することもあります。帯状疱疹が治まった後も、10−15%程の人にはしつこく痛みやしびれが残る帯状疱疹後神経痛という状態になることがあり、これも高齢である程にリスクが高くなるとされています。

アメリカではこの帯状疱疹、ならびに帯状疱疹後神経痛の頻度を減らす目的で、2006年に60歳以上の人を対象にワクチンの接種が推奨されるようになりました(なお、FDAは2011年に50代の人にも接種の対象を広めましたが、2014年1月現在米国でワクチン接種の推奨を定めるACIPはまだ50代への接種は推奨していません)。60歳以上を対象とした臨床試験では、ワクチン接種によって帯状疱疹にかかるリスクを半減させ、帯状疱疹後神経痛のリスクを6割以上減らしたとされています。

【ウイルスが一緒ならワクチンも一緒?】

帯状疱疹と水ぼうそうは同じウイルスによってかかることを冒頭に書きましたが、アメリカで使用されている帯状疱疹に使われるワクチン(Zostavax)と、水ぼうそうに使われるワクチン(Varivax)では濃度が全く異なります(Zostavaxの濃度はVarivaxの10倍以上)。よって、帯状疱疹ワクチン(Zostavax)を、水ぼうそう予防のために子供に接種することはしませんし、水ぼうそうワクチン(Varivax)を帯状疱疹の予防のために接種することもしません。一方、日本では2013年現在帯状疱疹専用のワクチンはないのですが、日本にある水ぼうそう用ワクチンの成分(濃度も含め)がZostavaxに近いため、帯状疱疹ワクチンの代わりに使用する例もあるようです。

ワクチンの詳細については以下のページをご参照ください。

http://www.immunize.org/vis/vis_shingles.asp

http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/eiken/idsc/disease/chicken1.html

日本の水痘ワクチンと帯状疱疹への予防効果については、こちらをご参照ください。(「帯状疱疹」の項)

http://www.nih.go.jp/niid/ja/varicella-m/varicella-iasrtpc/4043-tpc404-j.html

文責:小林 美和子

最終アップデート:2014年1月