肺炎球菌ワクチン(小児)
Pneumococcal Vaccine (Pediatrics)

2013年には、日本での小児用肺炎球菌ワクチン接種に関して大きな変化がありました。
①定期予防接種に追加
②従来の7価のワクチンに代わり、13価のワクチン(プレベナー13、沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)が承認
では、これらがどのような意味をもつのか見てゆきましょう。

肺炎球菌は肺炎、細菌性中耳炎などの原因となる菌ですが、時として死に至るような重篤な感染を起こすことがあります。例えば、細菌性髄膜炎(脳や脊髄を覆っている髄膜に感染が起ることで生じます)を起こした場合、死亡率は7〜10%とされています。また、菌血症(菌が血流内に入りこんでいる状態)を起こすこともありますが、大人と違って子供では高熱以外に症状が無いのに菌血症を起こす「潜在性菌血症」がみられることもあり、ワクチン導入前は日本でも年間約1万8千人の子供たちが菌血症をおこしていたとされています。WHOも、特に5歳未満の乳幼児死亡率の高い国を優先に、全ての国が肺炎球菌ワクチンを使用することを2007年に推奨しています。日本では2010年に発売され、昨年2013年にようやく定期接種となりました。

この菌は多くの人の鼻や喉に常在しており、なぜ時として病気を引き起こすかはよくわかっていません。2歳未満の子供はワクチンに対する免疫の反応が弱いため、大人用のワクチンでは免疫がつきません。そこで、子供用の肺炎球菌ワクチンが用いられるのです。肺炎球菌は90種類以上あるとされていますが、子供用ワクチンは、最も病気に関連するとされる13種を対象としています(PCV13,Prevenar/プレベナー)。以前は7種を対象としたワクチン(PCV7)が用いられていましたが、日本でも昨年PCV13が承認、導入されたのです。なお、大人用のワクチンには見られない特徴として、このワクチンでは粘膜の免疫反応も起こり、鼻や喉に保菌している菌も減らす効果が知られており、それによってそのワクチンを受けなかった周囲の人の肺炎球菌感染症も減らすとされています。

このページは、CDCのウェブサイトを参考に記載しています。

http://www.cdc.gov/vaccines/vpd-vac/pneumo/default.htm

日本語のサイトとしては、以下をご参照ください。

http://www.know-vpd.jp/vc/vc_nw_haienkyukin.htm

興味のある方は、以下もご参照ください。

肺炎球菌ワクチンの効果をまとめた論文:Musher DM. Infect Dis Clin North Am. 01-MAR-2013; 27(1): 229-41

2007年にWHOが発表した小児用肺炎球菌ワクチンのposition paper:

http://www.who.int/wer/2007/wer8212.pdf

文責:小林 美和子

最終アップデート:2014年1月