肺炎球菌ワクチン(大人)
Pneumococcal Vaccine (Adults)

肺炎球菌はその名前の通り、肺炎の原因として知られている菌ですが、その他にも髄膜炎(脳や脊髄を覆っている髄膜に感染がおこることで生じます)、菌血症(感染に伴って菌が血流に入り、全身をめぐっている状態)などの原因となり、時として死に至るような重篤な感染を起こすことがあります。抗生剤が使用されている現在においても、肺炎球菌による菌血症になった場合の死亡率は15-20%程度といわれています。また、髄膜炎は脳や脊髄に近い場所の感染なので、それだけでも重篤になりうる病気ですが、病気から快復しても合併症や後遺症をおこすことのある怖い病気です。死亡率や合併症のリスクの高い菌血症と髄膜炎を「侵襲性感染症」とし、肺炎球菌ワクチンではこれらの予防を第一の目的としています。

この菌は多くの人の鼻や喉に常在しており、なぜ時として病気を引き起こすかはよくわかっていません。成人では高齢者(65歳以上)、喫煙者、脾臓を摘出する手術を受けた人、免疫力が病気や治療によって弱っている人などに、特に肺炎球菌による感染症が起りやすいとされています。以前に病気のために脾臓をとる手術をした40代の若い方が、肺炎球菌によるひどい菌血症をおこし、治療にもかかわらず結果として幼いお子さんを残して亡くなられたことが、今でも強く記憶に残っています。

肺炎球菌は90種類以上あるとされていますが、大人用ワクチンは、最も病気に関連するとされる23種を対象としています。2歳未満の小さな子供ではこのワクチンでは免疫がつきにくいので、別途小児用のワクチンがあります(小児用参照)。免疫力が弱っている場合は、接種をしても免疫がつかない場合があります。

基礎疾患のない65歳以上の高齢者にワクチン接種をした場合、肺炎球菌による侵襲性感染症(髄膜炎、菌血症)に対する予防効果は6〜8割とされています。

このページは、CDCのウェブサイトを参考に記載しています。

http://www.cdc.gov/vaccines/vpd-vac/pneumo/default.htm

日本語のウェブサイトとしては、以下をご参照ください。

http://www.know-vpd.jp/vc/vc_nw_haienkyukin_adlt.htm

文責:小林 美和子

最終アップデート:2014年1月