BCGワクチン
BCG (Bacille Calmette-Guérin) Vaccine

結核に対するワクチンとして、BCGは広く日本で使用されていますが、米国では一般的な予防接種としては用いられていません。日本では生後3ヶ月から6ヶ月の間に一回の接種が定められているため、米国で生まれたお子さんがこの期間を過ぎて日本に帰国された場合、BCGを接種する必要があるのかどうか保護者の方は疑問に思うこともあるでしょう。反対に、この期間中にお子さんが日本から渡米する場合、日本では受けることができたBCGが米国では接種できないということを知って当惑する方も多いようです。

過去の研究から、BCGは特に乳幼児の播種性結核(結核が全身の色々な場所に感染し、増えている状態)や結核性髄膜炎といった重篤な病気を予防することが認められています。現在、日本で生後3ヶ月から6ヶ月未満にBCG接種が推奨されているのはこのためです。それでは、なぜ米国ではBCGが一般に行われていないのでしょうか。最大の理由は、結核という病気が米国においてはまれで、一律に子どもたちに接種を推奨するほど流行していないためです。また、過去にBCGを受けていると、本当は結核菌に曝露していないのに、米国の学校入学の際に求められるツベルクリン検査(tuberculin skin testあるいはMantoux testと呼ばれる)の反応が陽性になってしまうことがあります。この場合、現在の米国の治療指針に従えば、潜在結核(latent tuberculosis)として治療の対象になるため、更なる血液検査や胸部レントゲンの結果の提出を求められたり、場合によっては数ヶ月間も抗菌薬を服用しなくてはならなくなる可能性があります。

以上のことから、米国内で生活する限り、BCGは基本的に必要ないと考えていただいて結構です。生後6ヶ月を過ぎて米国で生まれた(すなわちBCGを受けていない)お子さんが日本に帰国される場合、日本小児科学科が推奨する予防接種スケジュールによれば、「やむをえない事情を有する場合のみ1歳まで定期接種可能」とあるので、希望する場合は、帰国後にかかりつけ医に相談されるのがよいでしょう。

その他、こちらのサイトが分かりやすくまとまっていますので、ご参照ください。

http://www.know-vpd.jp/children/va_bcg.htm

文責:青柳 有紀

最終アップデート:2014年1月