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青柳有紀

ブログについて

アメリカで得られないものが日本にあるように、日本では得られないものがアメリカにはある。感染症、予防医学、公衆衛生学について、ニューイングランドでの日常を織り交ぜつつ、考えたことを記していきたい。

青柳有紀

Clinical Assistant Professor of Medicine(ダートマス大学)。国際機関勤務などを経て、群馬大学医学部医学科卒(学士編入学)。現在、アフリカ中部に位置するルワンダにて、現地の医師および医学生の臨床医学教育に従事。日本国、米国ニューハンプシャー州、およびルワンダ共和国医師。米国内科専門医。米国感染症専門医。米国予防医学専門医。公衆衛生学修士(ダートマス大学)。

明日3月29日に、(株)メディカル・サイエンス・インターナショナルより『カラー写真と症例で学ぶ小児の感染症』が出版されます。原書は、エモリー大学小児科学教授のFrank Berkowitz先生が書かれたCase Studies in Pediatric Infectious Disease (Cambridge University Press)で、翻訳を私が担当させていただきました。

以前、このブログでも書かせていただいたように、現在所属しているフェローシップ・プログラムでは成人と同様に小児の感染症のコンサルトを担当することが多く、この分野の自分の知識を整理しようと、以前からいくつか成書を手に取っていたのですが、ある時この本の原書と出会って、その素晴らしさに感動しました。実際に手に取って読み進めていただければお分かりになるかと思いますが、収録された一つ一つの興味深い症例について、まるでBerkowitz先生と一緒に回診しているような気持ちになる、不思議な魅力に満ちた本です。

提示された情報から鑑別診断を整理し、診断を確定していく彼の手法はまさにエレガントとしかいいようがありません。Berkowitz先生の出身国である南アフリカおよび米国での長年の臨床経験に裏打ちされたパールが随所にちりばめられています。ダートマスには小児感染症の指導医が3人おり、うち2人はマンデルの執筆者で、もう1人もNew England Journal of Medicineの常連かつ素晴らしいclinician-educatorですが、彼らと一緒に働いた経験と匹敵するか、それ以上に多くのことを、この本から私は学びました。どうしても本書を日本に紹介したいと思い、多くの方の協力を得て、今回の出版に至った次第です。

日本ではあまりみられないレアな症例も多数収録されていますが、感染症の専門医にとっては、どれも知っておかなくてはならないものばかりです。また、インフラが発達した現代においては、そうした症例にERの医師や一般小児科医が出会う可能性も十分考えられます。その意味で、感染症を専門とする医師以外にもこの本をぜひお勧めしたいと思います。

http://www.medsi.co.jp/books/products/detail.php?product_id=3268


							

2件のコメント

  1. どうも、お久しぶりです。
    イダテンみて来ました。
    同期の先生の活躍が知れてうれしい限りです。
    小児科医の傍らで感染症→感染症医の傍らで小児科に変わって早1年です。
    この前茅ヶ崎の同期何名かに会いましたが、みなさん各々の分野で活躍しているようでした。

    今の病院では小児のコンサルトはあまり無くて寂しいですが、
    この本を読んで気を紛らわそうかと思います。

  2. 山元君:お久しぶりです。山元君の新しい環境での活躍はいろいろなところで耳にしています。僕らの関心領域って、実際、すごく近いみたい。昔の仲間と、時を経て実は同じ場所にいるってことを知るのは、素敵なことだね。また近い将来に、一緒に仕事をしたいね!

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