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ブログについて

大阪出身の妻と2児の子育て奮闘中。子育ては最高の小児科学の教科書です。モットーは“think globally, act locally, and love your family”。小児科・神経学・医学教育を世界で学び、グローバルな視野を持つ後進を育成することが夢です。

桑原 功光

北海道出身。2001年旭川医科大学卒業。1年間の放射線科勤務の後に岸和田徳洲会病院で初期研修。都立清瀬小児病院、長野県立こども病院新生児科、在沖縄米国海軍病院、都立小児総合医療センターER/PICUと各地で研鑽。2012年度からハワイ大学小児科レジデント。2015年よりテネシー州メンフィスで小児神経フェロー、2018年7月より臨床神経生理学(小児てんかん)フェロー開始予定。日米両国の小児科専門医。

桑原 功光のブログ
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2018/03/26

サクラはもうすぐですよ

久しぶりの更新になります。3月になり、今年もアメリカでのレジデントマッチングが発表されました。マッチした方、おめでとうございます。そして、残念なことにマッチできなかった方は、今は心痛で何も考えるゆとりがない頃だとお察しします。私も臨床留学のポジションを得るまで、虚無感や自己否定感と向き合いながら何年も奮闘しました。特に私の場合、臨床留学を果たした時にはかなり卒後年数も実年齢も上がっていたので、その気持ちは痛いほど共感できます。私の臨床留学までの過程は以前、あめいろぐ内で記事にしているので参考にしてくださいね。

・ハワイでおっさんレジデントになるまでの道 前編 (2013/1/20)

http://ameilog.com/norimitsukuwabara/2013/01/20/110541

・ハワイでおっさんレジデントになるまでの道 後編 (2013/1/25)

http://ameilog.com/norimitsukuwabara/2013/01/25/234407

私が沖縄海軍病院で会ったD先生が言っていた「その時にはわからなくても、人生で起こることには何か意味がある」という言葉は、今になってやっと理解できるようになりました。今回、残念な結果になった方は、まず小休止して、自分がなぜ臨床留学を果たしたいのか、本当にやりたいことは何なのか、再度、振り返ってみるのはいかがでしょうか。それでも臨床留学をしたいと思うのであれば、ただ自分を信じて前に進むだけです。

確かに臨床留学は年々、厳しくなっています。実例を挙げると、日本人が内科や小児科に臨床留学してことで知られているハワイ大学ですら、日本人が入ることが難しくなっています。また、ここテネシー大学(メンフィス)のMed/Pedsレジデントプログラム(4年間かけて内科と小児科を両方学ぶレジデント)は各学年11人と、全米2位の大所帯です。小児科レジデントとMed/Pedsレジデントの両者合わせると、小児科を研修するレジデントは各学年37人!(つまり、小児科レジデントだけで1学年26人)と、3学年で100人を超えて、これも全米2位の小児科レジデント数を誇ります(1位はテキサス州ヒューストンのベイラー大学)。しかし、テネシー大学小児科レジデントには、外国の医学部出身者はたったひとりもいなくなりました。 

また、小児神経科はかつては外国の医学部出身者が多い科でしたが、最近はアメリカ人にも人気が出てきて、有名プログラムはもちろん、地方のプログラムでも競争率が高くなってきています。私がテネシー大学に来た時には小児神経の研修枠に空きがあり、私も運良く採用されましたが、今は小児神経レジデント・フェローは、外国人は私と1学年下のイタリア人(NIHで博士号を取った才女)だけで、他は全員アメリカ人です。とある知り合いから、外国の医学部出身者で有力な方を面接まで押してくれないかと頼まれましたが、アメリカ人の候補者だけで一杯で、とても呼べる状況ではありませんでした。

でも、臨床留学は諦めなければ絶対に可能です。臨床留学ができない一番の理由は「諦めてしまうこと」です。私の義父が先日、大阪から暖かいメッセージを送ってくれました。You only live once. 悔いのないように頑張ってください”。激励の中、私も挑戦が続いています。この2月に「アメリカ神経内科専門医試験ワークブック 模擬問題1,000問 解答と解説」(中外医学社)を出版しました。アメリカの神経内科専門医は成人と小児が共通であり、幅広い領域を学ばなくてはいけません。成人・小児神経内科医に限らず、一般内科・脳外科医・小児科医・救急医・集中治療医はもちろん、大学で医学生相手に神経の試験問題を考えている講師陣にもオススメです。日本では、神経内科専門医試験に関する書籍がほとんどないため、貴重な一冊です。1年以上かけて単独で翻訳しました。書店で見かけたら、ぜひ手にとって見てくださいね。

http://www.chugaiigaku.jp/item/detail.php?id=2226

最後に、我が家には未だに破られないジンクスがあります。「桑原家を訪問した臨床留学希望者は今まで全員、臨床留学を実現している」。昨年、アイオワ大学で感染症科フェローを開始したS先生も、大阪にいた頃に我が家に遊びに来てくれた方でした。S先生も長い間、準備をしてついに臨床留学を実現されました。近いうちに、テネシーまで会いに来てくれるということで楽しみです。久しぶりにお会いできるのが楽しみですよ、S先生。これから一緒に臨床留学組として頑張りましょう!

以上、アメリカ南部から、ルボーナー特派員がお知らせしました。

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