Skip to main content
小林美和子

ブログについて

小林美和子

世界何処でも通じる感染症科医という夢を掲げて、日本での研修終了後、アメリカでの留学生活を開始。ニューヨークでの内科研修、チーフレジデントを経て、米国疾病予防センター(CDC)の近接するアメリカ南部の都市で感染症科フェローシップを行う。その後WHOカンボジアオフィス勤務を経て再度アトランタに舞い戻り、2014年7月より米国CDCにてEISオフィサーとしての勤務を開始。

★おすすめ

インフルエンザワクチン Influenza Vaccine

2009年に世界的に流行したH1N1型のインフルエンザはまだ皆さんの記憶に新しいと思います。インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによっておこる呼吸器感染で、38度以上の熱、咳、全身倦怠感、筋肉痛などをもたらします。風邪と比べると症状が強く、特に高齢者、2歳以下の乳幼児、妊婦、慢性疾患を持つ方の場合では、肺炎などの合併症を起こしたり、重症化し、時として死をもたらしたりすることもあります。インフルエンザの診断は、鼻の奥の粘膜を綿棒などで採取する簡単な検査でできます。インフルエンザにかかった場合、発症初期に抗ウイルス薬を服用することでインフルエンザからの回復を早める効果が期待できます。しかし、2009年の時のように世界的に流行した場合、必要な薬が世界中に行き渡らないことも起こりますし、今ある薬に耐性があるウイルスが出現することもあり得ます。また、上記のように、リスクの高い人たちにとっては特に重症化する可能性がある感染症であり、まずはインフルエンザにかからないようにすることが大事なのは間違いありません。アメリカでは2009年の教訓もあり、生後6カ月以上のすべての人が毎年ワクチンを受けるよう推奨されています。

毎年流行するインフルエンザの種類が変わるため、次の季節に流行しそうなインフルエンザの種類をあらかじめ研究によって予想をたて、ワクチンを製造します。そのため毎年接種することが必要です。ワクチンは毎年10月ごろには入手できるようになり、12月までに接種するのが望ましいとされています。アメリカでは、インフルエンザワクチンには大きくわけて不活化したウイルスを用いた注射と、弱毒化したウイルスを用いた鼻スプレータイプの生ワクチンの2つの種類があります。自分にはどのタイプがふさわしいかは、医療機関に相談しましょう。なお、接種回数は年齢、ワクチンの種類によって異なります。

インフルエンザワクチンは、米国ではほとんどの医療保険によってカバーされています。一方日本では原則自費接種であるものの、場合によっては地方自治体単位で接種の公費助成をしています。

その他、詳細はこちらのリンク先を参照してください。アメリカの感染症とワクチンの公的機関であるCDCのサイトが公表している日本語の案内です。

弱毒化生ワクチン:http://www.immunize.org/vis/jpLAIV04.pdf

不活化ワクチン:http://www.immunize.org/vis/jp_flu04.pdf

(2004年時点の情報ですので、ワクチンの対象などが現在と異なります。)

こちらは、日本の感染症研究所のページです。こちらもご参照ください。

http://www.nih.go.jp/niid/topics/influenza01.html

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。


バックナンバー